[ナンバカ] 狼さんは "アイ" を知る。

▼ No.33 ▼ ページ37

＿ A sido ＿

「なぁー！」

囚人の声で、″ハッ″ っと我に返った。


(そうだ…、囚人を縛ったまま放置してたんだ…。)


そう思って、囚人達の方に目線をやると…、
僕は ″目を疑った。″

「そろそろニコの診察時間だけど、
診察室に行かなくていいのー？」

そういい ″ ｼﾞｬﾗ ″ っとヌンチャクを見せびらかしている囚人がいた。

『なっ…！どうして…！？』


(あのヌンチャクは、簡単に外せないはずなのに…！)


そう驚いていると、青い帽子を被っている囚人が
″ﾍﾍｯ″ と満足気に笑いながら、言う。

「″なんで、外せたんだ？″って思ってるんだろ？
まっ！俺にとっちゃ、簡単な事だよ。」


(はぁ…？？)


そう思ってると、紫色のモヒカンと黄緑の髪色をした囚人達が…

「何お前が偉そうな事言ってんだよ。」
「そーだよ！
そもそもジューゴくんが、外してくれたしね。」

と言う。

「あっ、ネタバレすんなっ！！」
『…ジューゴ？？』
「あ…うん、俺だよ。」

そう言い手を上げる1人の囚人。


(こいつが、僕のヌンチャクを…。)


「…ああ見えて、15番は脱獄が得意なんだ。
というより、趣味らしい。」

そう言い胃を抑える看守。

『…お気の毒に。』
「…てかさー、俺らも自己紹介しねぇ？」
「いいね！！」


(えっ、診察時間じゃ…？？)


僕はそう思ったが、
勝手に自己紹介をしだす囚人達。

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