ミスリード2 ページ40
それから途中で夏目が入ってきてなんやかんやで誤解を解いて手芸部部室を出る頃にはすっかり日が暮れていた。
まあ結論から言うとまず間違いなく影片先輩には悪印象を抱かれたと思う。
泥棒猫とか言われたし…。
「でもA宗にいさんに結構気に入られたんじゃなイ?」
「そう…なの?」
「初対面で『宗にいさん』が結構喋ってるノ、珍しいからネ」
う〜ん…あんまり嬉しくないなあ。なんかちょっと背筋に冷たいものを感じる。夏目や影片先輩とかとはちょっと別だよね。カテゴリーみたいなのが。
「ていうかごめん、もうレッスン終わってるよね……」
窓の外を見ても明かりのついている部屋は殆ど見えない。多分私たちが最後だろう。
「別にいいヨ」
でももうライブまで日もないし、今日だってまだTricksterと月見里さんと残してきて……あぁ、ダメだ。後から根回ししておくしかないか。
「はぁ…」
「悩むぐらいならさっさと終わらせればいいのニ。悪いことを長引かせてもいい事なんてないヨ」
「そうしたいのは山々なんだけどね」
餌が少ないのが逆に多すぎて不審に思ってるのか。まあ時間の問題だと思うけど早い方が精神衛生上いいよね、皆も。
「とはいえ終わらせるのは私じゃないからね、なんとも言えないよ」
「ふぅン…まあいいけどネ、ボクの協力なんて必要ないんでショ?」
「あ、あの別に必要ないとか思ってないよ?場合によっては夏目にも色々やってもらうことあるし…言えないのはなんて言うか、こうカオス理論というかバタフライ効果というか…」
「ボク怒ってるわけじゃないけド?」
いや、あんた機嫌悪いじゃんよ…さっきから廊下を歩く足がちょっと速いし。
「……あ、それはそれとしテ、今日ウチに来ル?マミィがAに会いたがってたヨ」
「ほんと?夏目ママあの恐怖の初登校以来だなぁ…」
「うン、あの時はあんまり話す時間なかったからじっくり話したいっテ」
「行く行く!枝野さんのもいいけど夏目ママのご飯も私好きなんだよね〜…たまになんかよく分からない味のも出てくるけど」
「あ、アレまだばれてないんダ」
「ちょっと待って、何が?」
「まあいっか、帰るヨA」
「待って!よくない!何がバレてないのねぇ────」
…本当に油断していた。あんな事が起こるなんて、夢にも思わないほど。
少しの憂いがあっても大丈夫だと、なんとかなると甘く見ていた。
この時は、まだ。
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佐藤(プロフ) - 夢花(仮垢)さん» コメントありがとうございます!更新遅くて申し訳ないです…佐藤、キラキラネームとか難読苗字が好きなのでもっと使っていきたいですね。頑張ります! (2018年10月10日 0時) (レス) id: 4f2d8f4684 (このIDを非表示/違反報告)
佐藤(プロフ) - 佳乃さん» 修正しました!!!もともと誤字脱字マンなんですがまさか英智さんの名前間違えるとは…ご指摘ありがとうございます! (2018年10月10日 0時) (レス) id: 4f2d8f4684 (このIDを非表示/違反報告)
夢花(仮垢) - うわ、めっちゃ気になるところで更新来てないwwえー…めっちゃ気になるやんか←w この作品好きです!!めっちゃ続き気になります!!海凛の当て字(?)とかすごかよ(ぼそ 応援してます!無理ない程度にふぁいとです!! (2018年10月9日 18時) (レス) id: 1ce7d18474 (このIDを非表示/違反報告)
佳乃(プロフ) - すいません、リトルガールの誤字を教えたいんですけど、sideの所で、英知って書いてますけど、英智だと思うんですよね。この作品、とても好きです。更新頑張ってください。 (2018年10月8日 9時) (レス) id: e3737ad166 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:佐藤 | 作成日時:2018年8月20日 18時