テンプテーション3 ページ25
捕まえ損ねたボールを取りに来て、
急に南雲君の声が聞こえて、
えっと、それからなんだっけ？
「薬袋さん…？」
「だ、大丈夫ッスか…？」
高峯君と南雲君の声に我に返る。
そう、飛んできたボールが頭に直撃したんだった。
思い出したら痛覚が甦って凄く痛い。男子高校生の運動神経凄いね。顔面じゃなくてよかった。
「………あ、だ、大丈夫…」
「念の為保健室行った方がいいんじゃない……？なんなら一緒に行こうか？」
えっと、……いや、うん、これは厄介払いとかじゃなくて100%善意だ。
大丈夫だと思うけど一応保健室行こうかな。この後の試合サボれるかもだし。
「あ…いや、べ、つに1人でも大丈──ぶッ！？」
思ったより脳の底まで響いていたのか立ち上がった瞬間目が眩んでそのまま前に転んでしまった。
「だから言ったのに…大丈夫？怪我増えてるけど…」
「ご、ごめんなさい……」
左の肘と膝をだいぶ擦りむいたみたいだ。傷自体は浅いけど割と広範囲にやっちゃった。
歩いたら体操服に血がついちゃうなぁ
「薬袋さん」
「へ？えちょ……っ、」
「多分俺が運んだ方が早いから、ごめんちょっと我慢して……」
何で私今高峯君に抱っこされてるんだろう。いや、確かにこれなら血は付かないかもしれないけど、え、重くない？
「毎朝運んでる段ボールの方が重いから」
私の心を読んだのか大体そんな事を思ってるのだろうと察したのか高峯君が謎のフォローを入れる。
流石は正義の味方だ。まあ怪我の原因も正義の味方なのだけど、そこは不問にしよう。
「先生、怪我人です」
高峯君に抱えられたまま保健室に入る。
「お？なんだ、どーした？」
「さっき体育で…ちょっと転んで…」
「あ、大丈夫？歩ける？」
「う、うん」
高峯君は丁寧に床に下ろしてくれると『じゃあ俺先に戻ってるから』と保健室を出ていった。
「……まあとりあえず座れよ、まずは血を洗わないとな」
佐賀美先生は丁寧な手付き消毒液の付いた脱脂綿で傷口から血を拭う。
「一応聞くけど、誰かにやられた訳じゃないよな？」
「あ、違います。セルフで転びました」
「あぁそう…お前ついこの間いろいろあっただろ、まだ悪い噂とか出回ってるし気ぃつけろよ？」
「あ〜はぁ、まあ大丈夫です。生憎手のひらを返されるような友達なんていませんし……ていうか友達いませんし」
「……お前さ、俺には結構話せるよな？」
「だから見知らぬ人と年上の人は喋れるんですって」
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翔。(プロフ) - 好きです！！最高に面白いです！！エリートヒキニート最高！ (2019年1月20日 6時) (
レス) id: 63a2837fb8 (このIDを非表示/違反報告)
佐藤(プロフ) - ♪咲那♪さん» わーいありがとうございます(^o^)/頑張ります！ (2018年5月15日 0時) (レス) id: 4f2d8f4684 (このIDを非表示/違反報告)
♪咲那♪(プロフ) - おもしろくて続きが気になったのでこれからも更新頑張ってくださいね！ (2018年5月7日 22時) (レス) id: 282e7e9f5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：佐藤 | 作成日時：2018年4月7日 1時
