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「太宰さん最近見てない気がするんだけど」
「確かに」
ニカこと二階堂高嗣の店『喫茶・蒼天』を訪れたら、千ちゃんこと千賀健永もいて、二人にもこう言われた。
ちなみに二人は玉と同じく小さい時から一緒に育った幼馴染である。
「Aちゃんは皆に好かれてるね」
「宮っち何かした?」
「無意識に傷つけ続けてたかも」
「否定しないんだ」
「だって思い当たる節ないし」
俺はブレンドコーヒーを飲む。
ニカのコーヒーは今日も美味しいなと思ってる場合じゃない。
ふと視線を感じてそちらの方に目を向けると蒼天の店員で、ニカの彼女でもある勢司楓さんが俺を見ていた。
そして勢司さんはAちゃんの高校時代の友人でもある。
「宮田さん、いちごサンドです」
「……ありがとう」
「楓さん怖い顔しないで。スマイルスマイル」
ニカに言われて彼女は口角を上げるけど。
勢司さんは友情に厚い人だということを忘れてた。
「ここの男性陣、基本的に女性に優しいんですけど、微妙に方向性がずれてるときがあるんですよね」
勢司さんの発言にドキリとなってる男3人。
おや、千ちゃんも?
「楓さんの扱い確かにずれてたなあ。大して踏み込もうとせず」
「それは私にも言えることなんですけど。そう思うと私も絢子もAもずれてはいるんです」
確かに俺はずれている。
その気がなく振舞って、でもあるように振舞って。
きっとAちゃんから見れば。
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作者名:ユタカ2 | 作成日時:2021年11月23日 14時