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「じゃあAちゃんって呼ぶね」
そう言って天真爛漫に笑う姿に初めて守りたいという感情が生まれた。
それぐらい健永くんは可愛くて仕方がなかった。
10歳年下の健永くんはずっとAちゃんAちゃんと会えば私の後をついてきた。
懐かれるのは嬉しいから私も彼を可愛がってきた。
だけど彼にとってその意味合いが違ったのだと知ったのは彼が16歳のとき。
何気なしに彼女はいないの?と彼に訊いてしまって。
「俺はAちゃんが好き」
「それはどういう好き?」
「恋愛感情の好き」
「私は健永くんの叔母だよ」
「でも好き」
「それは恋愛感情じゃないよ」
健永くんの真っ直ぐな瞳を逸らしながら断る理由を述べていくしかなかった。
私と彼には10歳の年の差があり、そして何より叔母と甥は世間的に結ばれちゃいけないんだから。
私の家も健永くんの家も他の一般家庭とは少し違う。
私は兄弟の多い末っ子だから、わりと自由にさせてもらってるけど、健永くんは長男だから制約がある。
禁断の関係なんて許されない。
彼の好きはきっと刷り込み。
彼に相応しい子なんていっぱいいる。
そう判断して断った。
だけど健永くんは諦めずに、会うたびに私のことを好きだと言い続けた。
そのうちに揺らいでいくのが私の弱い心。
だってあんなに可愛かった健永くんがかっこよくなっていく。
私よりも小さかった彼があっという間に私の背を超して、だんだんと男らしくなっていく。
彼の腕に抱きしめられたいなんて思ってしまったときに自覚した。
彼のことを好きになってしまったと。
そう思ったら余計にネックになってることが気になった。
叔母と甥の関係も年の差もなくなってしまえばいいのにと何度も思った。
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作者名:ユタカ2 x他1人 | 作成日時:2021年9月11日 17時