舞祭組短編集 (ページ15)

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⑥ ページ15

『健...。』

千「なぁ...母さんの隣にいる女の子...誰？」

『......。』

千母「あんた...何言ってるの？Aちゃんは、あんたの彼女でしょうが!!」

千「彼女？母さんこそ何言ってるんだよ。俺に彼女なんているわけねぇーじゃん。俺、アイドルだよ？」

千母「あんたね。とぼけるのもいい加減に...」

北「千賀!?お前...本気で言ってるのか？」

千「あぁー。」

『あの...私、失礼します。』

と言って、涙を堪えて...病室を出ていった。

横「Aちゃ... 」

横尾が追いかけようとしたその時...Aの鞄から母子手帳が落ちていたのだ。それを横尾が拾い。

横「母子手帳...ってまさか？」

北「横尾さん??」

横「いやっ...何でもねぇーよ。ミツ。俺、ちょっとAちゃんの家に行ってくるわ。」

北「横尾さん。Aちゃんに伝えてくれ。俺らで、必ず...Aちゃんの事を思い出させるからって...。」

横「分かった。」

そして...横尾は、タクシーに乗り込み、フードとマスクを被って、チャイムを鳴らした。
オートロックが解除され、部屋に入れるA...。

『渉くん。コーヒーでいいかな？』

横「うん。」

『どうぞ。』

横「Aちゃん！これ、病院に落としていったでしょ？」

『...... 』

横「これって...母子手帳だよね？Aちゃん。もしかして...お腹に赤ちゃんがいるんじゃないの？」

『......』

横「千賀の子供だよね？」

『...うん。4ヶ月に入ってるって、産婦人科の先生に言われたの。』

横「健永には、言わなかったの？」

『言えないよ。健永...私の事だけ、忘れちゃってるんだよ。それで、渉くんにお願いがあるの。』

横「何？お願いって...。」

『健永の前だけでいいから、私の彼氏になってくれないかな？』

横「それは、構わないけど...本当にいいの??」

『うん。渉くんの彼女として...健永に挨拶したいの。もちろん...お腹にいる赤ちゃんのことは、内緒にして...』

そして...横尾は、千賀以外のメンバーに...メールで送った。
こうして、Aは...横尾渉の彼女として健永に会うことにした。もちろん...健永の両親にも了承済み。

記憶を失った彼千賀健永 (前編) --Fin--

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