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8.ヤキモチ? ページ8

「あ、そうだ!そう言えば私、2人に報告があるんだ!実はね、バイトの面接に受かって、来週からバイト始めることにしたの」

何となく俺らの間に漂い始めた微妙な空気を察してか、Aが明るく言いだした。

「あ、そうなの?良かったね〜。どこでバイトすんの?」

サトルも空気を変えようとテンション高めだ。

「大学近くの駅前にある本屋さん」

「あ〜、あそこ受かったんだ!Aちゃん、第一希望はあの本屋さんって言ってたもんね。良かったじゃん」

「うん、ありがとう」

2人のやり取りを聞いて、俺は違和感を感じた。

「ん?何?A、バイトの面接とか受けてたの?」

「うん。あれ、風磨くんに言ってなかったっけ?」

「聞いてねぇし」

大学近くの駅前にある本屋と言えば、規模はそんなに大きくないけれど、本屋の中の一角にカフェもあって、うちの大学の生徒だけじゃなく、結構多くの人で賑わう店だ。

そこでのバイトの面接を受けてたことも、第一希望だったことも俺は聞いていなかった。

(何で俺は知らねぇのにサトルは知ってんだよ)

俺はイラつく気持ちを視線に込めて、サトルを睨み付けた。

俺が仕事で大学に来られない日や、先に帰らなきゃいけない日は、2人で授業受けたり一緒に帰ったり、時にはお茶とか飯とか行ってるらしい。

さっきの“他の女子とお似合い発言”と言い、この2人の仲の良さと言い、今日はおもしろくないことばっかりだ。

「風磨くん?」

俺が黙っているのを心配して、Aが顔を覗き込む。

「ごめん、ね?バイトのこと言ってなくて」

「いや、別にそんなのいいんだけどさ…」

胸の内を見透かされているようで、俺は視線を外す。
そんな俺をサトルがニヤニヤと見つめていた。

その日の夕方。
「じゃあ私、今日バイト決まった本屋さんで事前に説明受けに行かなきゃいけないから。先に帰るね。お疲れ様」

Aがそう言って先に講義室を出た後、待っていたかのようにサトルが話しかけてきた。

「なぁ風磨。お前、俺にヤキモチやいてんだろ」

「はぁ??何で俺がお前なんかにヤキモチやくんだよ」

「お前の知らないAちゃんを俺が知っているから!」

「お前バカじゃねえの?ヤキモチなんかやくわけねぇだろ」

「そうかな〜。お昼の風磨はどう見ても不機嫌だったし」

「お前うるせぇ」

俺はまとわりつくサトルを払いのけながら歩いた。

口ではそう言いながらも、サトルの言っていることは図星だ。
正直、サトルが羨ましい。

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anpuu(プロフ) - お返事いただけて光栄です。大長編!尚更嬉しいです!毎日楽しみにしています(⌒▽⌒) (2017年5月30日 16時) (レス) id: b8556b424c (このIDを非表示/違反報告)
SaYaKa(プロフ) - anpuuさん» anpuuさん コメント&高評価ありがとうございます。本当に嬉しいです。このお話は私の中で大長編の予定でして…しばらくずっと続きますので、良ければ長くお付き合いください(*^^*) (2017年5月30日 16時) (レス) id: 3736ec2a42 (このIDを非表示/違反報告)
anpuu(プロフ) - 星10を押したのですが星9?になってしまいました。読んでいてとっても面白いです! (2017年5月30日 15時) (レス) id: b8556b424c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:SaYaKa | 作成日時:2017年5月26日 1時

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