４．よろしくね ページ4
「そうなんですか。私うとくて…ごめんなさい。この１年ずっと受験勉強に追われててろくにテレビを観る時間もなかったし、それに先月上京してきたばかりでまだ余裕もないし、こっちに友達もいないから」
彼女はうつむきがちに「すみません」と言った。
「いやいや、別に謝ることじゃないし。それに、友達ならもう俺らがいるじゃん」
どこにいても「菊池風磨だ」と指をさされる生活の中で、俺のことをアイドルではなく普通のただの大学生としてだけ見てくれることに感動すら覚えた。
「そうそう！俺らがAちゃんの大学での友達第一号と第二号！というわけで、俺は久保サトシ。よろしくね！」
「よろしくお願いします」
彼女が律儀に頭を下げる。
「いやいや、俺らタメでしょ？硬い硬い！それに敬語もなしね！」
「そっか。私たち同い年だもんね。それじゃあ敬語はなしで。よろしく、久保くん…」
「サトシでいいよ。それにこいつのことは風磨でいいし」
「おい、お前が勝手に決めんなよ」
「え〜？不満なの？お前」
「いや、いいけど…」
俺とサトシが言い合う様子を眺めていた彼女が急にクックックッと笑い出した。
「ん？」「どうしたの？Aちゃん？」
俺らが目を丸くしていると、笑いを堪えながらAが答えた。
「いや、本当に仲いいんだなと思って。改めて、よろしく、サトシくん。よろしく、風磨くん」
こうして俺たちは距離を縮めていったんだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 174人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「菊池風磨」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
anpuu(プロフ) - お返事いただけて光栄です。大長編！尚更嬉しいです！毎日楽しみにしています(⌒▽⌒) (2017年5月30日 16時) (
レス) id: b8556b424c (このIDを非表示/違反報告)
SaYaKa(プロフ) - anpuuさん» anpuuさん コメント＆高評価ありがとうございます。本当に嬉しいです。このお話は私の中で大長編の予定でして…しばらくずっと続きますので、良ければ長くお付き合いください(*^^*) (2017年5月30日 16時) (レス) id: 3736ec2a42 (このIDを非表示/違反報告)
anpuu(プロフ) - 星10を押したのですが星9？になってしまいました。読んでいてとっても面白いです！ (2017年5月30日 15時) (レス) id: b8556b424c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：SaYaKa | 作成日時：2017年5月26日 1時
