変わらず 、隣に 。2

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「 北山くん 、この後空いてる？」

「 多分…空いてます 」

「 なら 、ご飯行かない？」





その言葉に

嬉しそうに笑う北山 。




気付けば 、北山は

芸人さんと仲良くなっていた 。





自分から近づく時もあれば



収録での頑張りが認められて

相手の方から声をかけられることも 。





熱心に芸人さんとご飯に行くのは…

彼なりに学ぼうとしてるのかもしれない 。



バラエティについて

お笑いについて 。







「 ……… 」





でも 、どこか納得出来ない 。



芸人さんとご飯に行くこと

……とかじゃなくて 。






北山はかっこつけることに

戸惑いを見せるようになったんだ 。





踊りだって何だって

力は抜いてない 。



むしろ 、誰よりも全力 。

でも … 今は迷いが見えた 。




嘘をつかないその瞳が

不安げに揺れている 。





バラエティに苦戦してるのかも 。

きっと手探り状態のはずだから 。





でも 、そうは思っても…

俺はもう何もしない 。





前の俺なら

馬鹿みたいに励ましてた 。




でもその頃の俺はもう…

今の俺にはいないから 。







「 北山 、何やってんだよ〜 」

「 うわぁ… すいません 」





北山がいじられることに

だんだん慣れてきた 。




楽屋とは 、Jr時代とは

似つかない北山の明るい姿

可愛いらしい雰囲気 。





バラエティに真剣なのが分かった 。

真剣に向き合ってるんだと 。





北山の熱い想いが

ちゃんと伝わってるのに…



なんかモヤモヤして

その日も夜の街へ繰り出した 。







「 お疲れ様でした〜！」





歌番組の収録をしたあと

もっと出来ただろ…

と 、北山にイライラすることも増えた 。




だけど それを言葉にはせず

夜でストレスを発散した 。






「 お前ら 、ちゃんとやれよ 」

「 ミツも ちゃんと食べてよ 」





バラエティで北山は

嫌われ役を買って出ていた 。




俺がやる 、という自己犠牲は

いいのか悪いのかよく分からない 。




ただ 、そんな北山は

人に誤解されやすくなった 。





それでも彼は

この仕事への姿勢を貫く 。




そこまでして何を得たいの？と

だんだん疑問に思うようになった 。





でも 、いつか また

あの頃の北山に会えるって…


この頃の俺はそう信じていた 。




ただ今はバラエティに熱心で

余裕がないんだと 。





ーーー でも 、違っていた 。

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