変わらず 、隣に 。2

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「 …… 太輔 」

「 なに？渉 」





渉の声に、振り返れば

渉が優しい顔で俺を見てて 。







「 … お疲れ様 。」

「 渉もね 。…でしょ？」

「 …あはは！気付いてたんだ 」





渉の言葉をそのまま渉に返せば、

渉は参ったなぁというように笑った 。







「 そりゃ親友だからね 」

「 … さすが太輔。」

「 言ってくれたらよかったのに 」






北山への恋に終わりを告げてるような

そんな会話に、無意識に微笑む 。





もう少しで終わりを迎える 。

この恋に 、長年の恋に 。







「 俺は1人で恋愛するタイプだから 」

「 ひっどー 。一緒に語れたのに 」

「 じゃあ 、…今から語る？」






1人で恋愛するタイプと言った

渉の言葉に 、ふと考える 。





じゃあ俺は …

誰かと恋愛するタイプなのかな 。





誰かに気持ち話した方が

心が軽くなって 。




でも、こういう恋だから

誰かに話して整理したかったんだよね 。





俺だって普段はそんなに

恋心をべらべら話さないもん 。




この恋が、特別だった 。







「 お、いいね 。傷口えぐる？」

「 違うわ。良かったよねって話すの 」

「 良かった…？」






渉の言葉に笑うと

渉は違うよ、と首を横に振って 。




でも理解出来ず 、

首をかしげると教えてくれた 。


今まで見てきたなかで

1番良い笑顔をして 。






「 ミツ好きになってよかったねって 」

「 … ふはっ。渉、恥ずかし！」

「 本当のこと言っただけですぅ 」





でも、そうでしょ？


そう言って柔らかく微笑む渉に

俺も笑顔で頷いた 。





好きだと気付いたのは

高校１年生の時 。



あれから …

約10年の片想い 。





楽しかったのは一瞬で

近づきたいと願ったのも一瞬 。



苦しくて、もがいて、

離れたいとさえ思った 。

何度も願った 。




でも、当たり前のように

必ず隣にいて 。






『 じゃあ、なに？守りたいもの 』

『 … 守りたいと思うもの、だよ 』




そう言って笑った顔

今でも覚えてる 。



その時、俺はね

何を守りたいんだろうって考えて

北山の顔が1番最初に浮かんだ 。




恋心からなのか分かんないけど

北山は守りたい人でもあったんだと思う 。






‘‘ 北山、好きだよ 。”




そう言ったことは一度もないけど、

言葉にしたこともないかも 。




だから今、

素直になろうと思う。






………好きだったよ。

ありがとう。





Fin.

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