変わらず 、隣に 。2

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「 はぁ … 」





みんなが帰ったあと 、

また鏡に映る自分を見つめ

小さくため息をついた。





もうこれ 、完全に

泣いた後だって分かるし…




まぁ家帰って冷やせば

なんとかなるか 。






「 ………っ 」





さっきから何度も頭の中で

再生される、北山の姿 。





突然すぎて …

未だに頭がおいついてないけど

頭の中が北山で埋め尽くされて 。






あれは偶然？

ただの気まぐれ？



それとも …






…… いいや 。

期待したって仕方ないし 。




期待しそうになった頭を

ぶんぶんと横に振る 。





だって北山はもう …







「 ガチャ 」




その時 、ドアが開いて 。





え …




ドアが開いた音と共に

北山の驚いてる顔が見える 。





でも 、きっと

俺の方が驚いた顔してる 。





何で北山が …

帰ったんじゃなかったの？





遠慮がちに部屋に入り

ソファに腰掛ける北山 。





… マジか 。

まだ帰らない感じ？






いつもなら 気まずくて

すぐに帰るのに


今日は何故か

身体が動かなかった 。








「 ……藤ヶ谷？」





すると北山に名前を呼ばれて 。

身体がピクッと反応する 。





距離はそのままで 。

離れたままで 。





だけど 、北山が俺を

心配そうに見てるのが分かる 。





もう見なくても …




北山がどんな表情してるのか

何となくだけど分かってしまう 。






やっぱり何年も

形としては変わらず 、

隣にいたからだろうな 。





それでも …

確信はないんだけどね 。







「 お前さ 、なんかあった？」






北山の言葉に一瞬

悪い意味でドキッとした 。




自分の心を…

覗かれてるような気がして 。




偶然だとしても少し恐い 。

何で北山は分かったんだろう 。







「 … 何が？」




だけど 、

すぐ平静を装った 。




たったの一言だけで

鼓動が早くなる 。





頼むからこれ以上

俺の心に踏み込まないで…





だけど 、

そんな願いも空しく






「 泣いてただろ？楽屋で 」





北山は遠慮もなく

簡単に土足で踏み込んできた 。



北山らしいっちゃ 、

北山らしいけど 。




っていうか やっぱり…

バレてたんだ 。





「 それが何？」




それでも素直に頷かない 。

そんな自分に苦笑いする 。






「 … 別に心配だっただけ 」





自分から壁を作ったくせに

今 、北山を拒絶にしたのに



北山が離れて行くのが

少し寂しく感じた 。

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