変わらず 、隣に 。2

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「 …… あ 。」






小さく呟かれた声に

何で …と思った 。


何で北山なんだよ 、と 。






北山が来たのと同時に

光がこの楽屋に広がる 。







「 … 電気付けるよ？」





俺 、電気つけてなかったんだ 。



今 、初めて視界が

暗かったことに気付く 。





どんだけだよ 、と再び

そんな自分に苦笑いしたあと






「 … ん 、悪い 」



小さく呟いた 。






あ …

涙 、拭かなきゃ 。





拭うものがないから

手の甲で優しく涙の跡を拭く 。






すると 、




「 ……藤ヶ谷？」


北山が俺の顔を覗き込んで 。







「 …… っ 」




絶対見られただろうけど

ぱっと顔を横に逸らした 。






最悪 …

何で北山に見られんの 。





ってか 、いつもは


こんなふうに2人きりになっても

喋ることなんて無いのに 。




何で今日は …







「 … どうした？」





だけど 、北山の優しい声に

また涙が溢れそうになった 。






泣くな泣くな …っ 。

絶対 、見られたくない 。

北山にだけは 。





涙を堪えるのに必死で

答えられないでいると





「 あ 、お疲れ〜 」




良いタイミングで

メンバーが戻って来て 。





北山が俺から離れて行くのが分かる 。

ホッと胸を撫で下ろした 。







「 宏光 、今日どうしたの！」

「 いつものキタミツじゃなかった！」





宮田や健永の興奮した声と

北山が苦笑いしてるのが聞こえる 。






「 え 、なんのこと？」



…なんてトボけてるし 。





北山はさ 、

そういうとこ変わらないよね 。







「 昔のミツ見た感じだった 」





…… 渉 。



渉がこういうやりとりに

参加するのはめずらしい 。




それほど渉も

待っていたのかもしれない 。



ずっと 、

待ち望んでたのかもしれない 。




だって渉も …







「 そそ！それだ 、昔の宏光！」

「 確かに 、目が同じだったね 」





でも 俺や渉が 、というより

きっと みんな望んでたんだと思う 。




みんなの反応を見たら

そう感じた 。






北山がこんなふうに

気まずそうにしてるの久しぶりに見る 。




今でも こんな表情するけど

それは照れてるからじゃなくて

悩んだり分からなかったりした時で 。





みんなに囲まれて

呆れたような顔してる北山

本当に久しぶりに見る 。





その光景だけで

ぎゅっと胸が締め付けられた 。





この景色…

凄く懐かしい 。



懐かしすぎる 。

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