変わらず 、隣に 。2

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眩しいくらいに輝く

北山の笑顔 。





顔は今より幼く黒髪で 、

昔よく見かけたリハ着を着てて 。



汗をかいたまま無邪気に

カメラに向かってピースを作ってる 。







今でも …





こんなふうに思わず見てる側が

笑顔になるような笑顔で笑うけど 。





このときは本当に無邪気で

儚い 、無垢な笑顔だった 。







「 何で … 」





何でこれだけ …

しかも、俺写ってないし 。






北山のソロショット 。




忘れられない 、と思い

北山だけの写真を持ってきたのかな 。






中途半端に差し込まれてた

北山だけの写真 。




それだけで当時の自分の想いが

よく 、痛いほどよく分かる 。








『 藤ヶ谷 、貸してみ 。』

『 え？あ … 』

『 はい 、チーズ 』






北山は周りをよく見てて 。





俺は好きで

みんなの写真を撮ってたんだけど 、



自分の写真を撮ってない俺に

気付いた北山が俺からカメラを取って 。





俺の隣にすっと立ち 、俺と北山の

2人の写真を撮ってくれたんだ 。




後から見たら 、その写真には

突然すぎて ぽかんとした俺と

可愛い笑顔を浮かべた北山が写ってた 。







『 自分もちゃんと写っとけよ 』

『 お人よしすぎ 。』





その言葉を言ってほしくて

撮ってたわけじゃないけど



俺のことを見ててくれてたのが

凄く 、嬉しくて 。







『 北山も撮ってあげる！』

『 … じゃあ次は藤ヶ谷ね 』






俺の言葉に 仕方ないなぁと

いうような笑顔で笑ったあと



この写真に写ってる笑顔を

カメラに 、俺に向けてくれたんだ 。







「 ……… 」





思い出は色褪せず

ずっと きらきらしている 。



当時の輝きも失わないで 。

鮮明に思い出させてくれる 。





懐かしさからなのか

それとも感じた寂しさからなのか

涙がこぼれた 。







「 ……っ 、逢いたい… 」





あの頃の 、

この写真に写ってる北山に逢いたい 。





誰もいない部屋で

膝を抱えこみ 、呟く 。




涙声が今の俺の心の弱さを

象徴してるように感じた 。







「 …ベル 、ごめんね 」




手の甲を舐められ

ようやく現実へと戻る 。




まだこんなに

それこそ泣くほど期待してたなんて 。




自嘲の笑いを浮かべ 、

写真をアルバムに閉まう。




よしよし とベルを撫で

気付けば 、ソファで眠ってた 。





朝 目が覚めて


ぼろぼろの自分に苦笑いしつつも

家を出て 仕事場に向かった 。

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