72 ページ22
・
「 じゃあね 、太輔 」
「 お疲れ 。枕ありがとね 」
「 そっちの方が効果あると思うよ 」
去り際に 、
渉が自信満々な顔して
そう言ってきて 。
思わず 笑みがこぼれながら
ありがと 、とお礼を言った 。
‘‘ そっちの方が ” 。
女子と一緒にいるより…
気持ちよく眠れるって意味 。
「 ガヤ 、帰るの?」
「 うん 。たまは?」
「 俺も帰る 。一緒に帰らない?」
渉を見送ったあと
ぐるっと部屋を見渡せば
たまと目が合った 。
そしたら 、たまが
穏やかな優しい表情で
こっちに向かって話しかけて 。
一緒に … か 。
その表情に癒されながらも
言葉の意味を考える 。
「 たま 、今日は車?」
「 ううん 。歩き 」
「 えっ!珍しいね 」
お互い車だと思ってた俺は
たまが歩きだということに
少し、衝撃を受ける 。
「 歩くのも案外いいもんだよ 」
「 へぇー 。たまが… 」
「 俺 、どんなイメージなの 」
大人になった ともいえる
たまの発言に感心してると
たまが苦笑いした 。
どんなイメージ …
まだまだ若い年齢なのに
高級車が異常に似合う
…… なんてね 。
「 帰りは歩かないの?」
「 だって 、ほら 」
「 あ … 雨 」
一応 帰りは歩かないのか聞けば
たまが窓の方に目をやって 。
俺はたまの視線を追いかけるように
窓の外に目をやれば 、
小雨だけど 雨が降っていた 。
…… ってこれ 。
一緒に帰るというより 、
「 俺 、都合いい感じ?」
「 っふは!違うよ!」
「 … ほんとかよ 」
そう思い 、たまに聞けば
たまは笑いながら否定して。
うーん 、怪しい 。
でも こんな機会なかなか無いし
たまと帰りたい と思い 、
俺は 首を縦に振った 。
「 じゃ 、帰ろ 。」
「 わーい!やった 」
無邪気に喜ぶ たまを見て
思わず 頬が緩む 。
素直な人を見ると
俺は眩しく感じるんだと思う 。
たまだって 、ニカだって
…… 北山だって そう 。
「 ガヤの車乗るの初めてかも 」
「 ここは車持ってるもんね 」
「 うん 。だから必然的に機会無くなる 」
そんなことを話しながら
駐車場までの道のりを歩く 。
そういえば 、俺
そんなに人乗せないな 。
いつも1人でラジオか
音楽聴いてた 。
あ 、でも確か …
前に1人乗せたな 。
393人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「北山宏光」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
るう(プロフ) - ここ最近ずっと読んでました。通信制限来ても読んでました笑 それくらい夢中になってそれに面白くて頭の中がこの話でいっぱいでした。現実かもとか少し思うくらいでした。この話はすべて読み終わってしっくりくるものだなと今思ってます。本当に面白かったです! (2016年12月27日 17時) (レス) id: 7caa60ae7f (このIDを非表示/違反報告)
はちみつsugar(プロフ) - みささん» みささんコメントありがとうございます。その後ですか…!みんなのものじゃなくて俺の、の番外編(北玉)はありますが続きは確かに無いですね!今受験生なのですぐには無理ですし書けるかどうかも分かりませんが真摯に受け止めさせていただきます! (2016年9月27日 22時) (レス) id: 6cdb617c38 (このIDを非表示/違反報告)
みさ - ミツとオレ〜から大好きです。みんなの気持ちや想いが大切にかかれているところが特にスキでした!そろそろまたその後がみたいです(○´∀`○) (2016年9月17日 13時) (レス) id: a7e2768019 (このIDを非表示/違反報告)
みつばちsugar(プロフ) - 夏乃さん» 優しいお言葉ありがとうございます!北玉大好き人間!嬉しい、一緒ですね!北玉がラストになるかは分かりませんが北玉好きにはきゅんきゅんするようなお話考えています!玉ちゃんメインなので是非楽しみにしててください*\(^o^)/* (2016年6月30日 18時) (レス) id: 6cdb617c38 (このIDを非表示/違反報告)
みつばちsugar(プロフ) - mayaさん» また失礼します!ずーっと考えてて、北玉の新しい作品を作ることになりました!気に入っていただけるかは分かりませんが楽しみにいていただけると嬉しいです!コメントありがとうございます! (2016年6月29日 21時) (レス) id: 6cdb617c38 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:はちみつsugar | 作成日時:2016年6月10日 21時