変わらず 、隣に 。2

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デビュー当時は

歌の収録でバタバタしてたけど


少し経って 秋になる頃には

バラエティへの出演も増えて 。





今までも自分たちは


ただかっこいいだけじゃなくて

型にはまらず面白さも大事にしよう


って 、そんな理想を描きながら

グループで頑張ってきたんだけど 。




その時は手探りでやってて

なんとか成り立ってたと思う 。


でも 、今は何が正解なのか

さっぱり分かんなくて 。



何が求められてるんだろう

って 深く考えてしまう 。






「 デビューしたばっかか！」

「 はい 。よろしくお願いします 」





それはみんなも同じらしい 。

少しぎこちなくなって 。

反応することしか出来なくて 。





でも 、北山は …



知らない 新しい世界でも

今までの姿勢を貫いていた 。






「 浜田さんの番組よく見てたんですよ 」

「 ほんまかぁ？お前 … 」

「 ほんとです 。何で疑うんですか 」





大物にも動じず

目を見て しっかり話す 。




自分から動く 。


考えて動く 、考えずに動く でもなく

北山は頭で考えながら動いてる 。





だんだん北山はボケるようになって

ツッコミをいれられるようになって 。




前とは少し違った北山の立ち位置に

戸惑いながらも 、凄いなと思う 。



いつだって 、どんな状況でも

前を向いて ただ進もうとする 。




俺も見習わなきゃな …

って北山の姿を見て思った 。




だから頑張ろうとしたのに 。







「 うわ 、またバラエティーか 」

「 少し不安だよね … 」

「 俺 、全然自信ないよ 」





デビューしたてということもあって

テレビの露出はどんどん増えていった 。



もちろん有難い状況だし

頑張ろうって やる気もある 。




ただ不安なことが増えていくのに

全然 、何も対処できなくて 。

方法も分かんなくて 。



不安が徐々に大きくなっていく 。

何か掴みたいと思うから余計に 。






「 ミツ 、よく読んでるよね 」

「 次の収録の台本？」

「 流れ確認しとこうと思って 」





北山は誰とも喋らずに

じっと台本を見つめる時間が増えた 。




それだけ真剣なんだと思う 。



俺は少し怖気付いてるから

余計に凄いなって感心させられる 。





そうだ 、止まってたって意味ない 。

とにかく足を一歩前に出さなきゃ 。





俺なりにバラエティについて

歌番組について 考えたりもした 。




北山の想いに気付かずに 。

何を考えてるのかも分からずに 。

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