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Story 114 ページ14

『さ、どうぞ?』




ボーッとお店を見つめていた私に

声をかけた健人さん。




気づけばお店のドアを開けて

待ってくれていた。




はい。とだけ言ってドアを通り抜ける。




すぐに店員さんがやって来て

案内されたのは窓際の席。




午後の柔らかい日差しが降り注ぐ窓からは

イチョウ並木の遊歩道が見えた。




注文を取った店員さんが去っていくと

健人さんが口を開いた。




『Aちゃん、体冷えてない?

昼間といっても最近は肌寒いでしょ?』




「大丈夫です。」




本当は結構体が冷えていたけど

何となくそう返した。




でも健人さんはそんな私の事なんて

お見通しだったみたい。




『嘘つかなくていいよ。

ちょっと待ってて。』




それだけ言うと

奥の方にいた店員さんに

何かを話始めた。




窓の外に目をやると、相変わらず

穏やかな日差しが降り注いでいる並木道を

行き交う人達。




みんな幸せそうに見えて・・・

心がささくれている私には

羨ましく見えた。




『はい。これどうぞ♪』




声をかけられて振り向くと

健人さんがブランケットを差し出して

立っていた。




「えっ?・・・あのこれ、

どうしたんですか?」




『店員さんに借りてきた。 さぁどうぞ?』




「あ・・・ありがとうございます。」




ブランケットを渡すと

また向かいの席に座る健人さん。




私は受け取ったブランケットを膝にかけ、

健人さんの方を見た。




『この店のサービスなんだ。

常連さんはみんな知ってるよ。』




「親切なお店なんですね。」




それだけ言うと

また窓の外に目を移す私。




『Aちゃん元気ないね。

何かあったの?』




健人さんが優しい声で尋ねる。




「・・・何もないですよ。」




私はゆっくりと

健人さんの方を見ながら答えた。




『Aちゃん、今日は嘘つきだね。

どうしたの? 彼氏とケンカでもした?』




ホント、何でこの人は

私の事を全てお見通しなのだろう。




そこへ店員さんが

注文した紅茶を運んできた。




店員さんが去ると

私観念して勝利くんとの事を話始めた。

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作者名:なおりん | 作成日時:2016年3月16日 20時

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