君の瞳の坂道 -3rd season- (ページ2)

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Story 102 ページ2

晩御飯について

あーだこーだと言い争いながら

風磨さんと坂道を登る。

やっとマンションが見えてきた時

私のポケットの中でスマホが鳴った。

「あ、LINE来た。」

LINEの通知音を聞いた私は

ポケットからスマホを取り出す。

隣で風磨さんが

『歩きスマホしてるとコケるぞ～(笑)』

とか言ってるけど無視。

でもコケたくはないから

歩道の端っこで立ち止まってLINEを開くと

予想もしていなかったメッセージが

表示された。

「えっ!?」

私が思わず放ってしまった声に反応した

風磨さんがこっちを見る。

勝利さっき横浜に帰ってきたよ
Aは今日バイト?
Aのマンションの前で待ってんね。

久しぶりの勝利くんからのメッセージに

固まる私。

ちょっと待って・・・頭がついていかない。

『おい、どうした？』

私の様子を見てなにかを悟ったらしい

風磨さんが声をかける。

「勝利くんが・・・

マンションの前で待ってるみたいです。」

『勝利ってたしか遠恋中の彼氏だっけ？』

風磨さんはそう言うと

マンションの方へ目を向ける。

私もマンションの方に目をやると

たしかに誰かがマンションの外壁に

もたれ掛かっているのが見える。

でもそれが勝利くんかどうかは

よく分からない。

『あれが彼氏？』

風磨さんに尋ねられても、半信半疑の私は

「多分・・・。」

と曖昧な答えしか返せなかった。

『なんだよ、それ(笑)』

『てかそれなら、ここからは１人で行けよ。』

思いもしない風磨さんの言葉。

「えっ？何でですか？」

『考えてみろって。』

『遠恋中の彼女が他の男と歩いてんの

良い気持ちはしねーだろ。』

あ・・・そうだよね。

私、今まさにそれで悩んでるんだった。

「でも、ここからじゃ遠くて

本人か確認できないし。」

おずおずと答える私に、風磨さんが言った。

『じゃあさ、俺ここで待ってるから。』

『ゆっくり近づいて本人なら一緒に帰れ。

違ってたら戻ってこいよ。』

その言葉を聞いて安心した私は

「はい」とだけ返事をして

マンションの方へ歩き始めた。