桜の時間 ページ2
.
朝、目が覚めると同時に時計を見つめる。時計の針は7時を指しており、もう用意をしなくてはならないことを示していた。
始業式。新たな学年生活が始まり大半の生徒達は今頃心躍っているはずだ。しかし、彼女は違った。こんなに憂鬱なことがあるだろうか。
ENDのE組行きを理事長に告白され、抗議をしたのは記憶に新しい。
我ながらすごいことをしたな、と制服の身だしなみを整えながら彼女は思う。
「行ってきまーす。」
鞄を肩に掛け、食パンを加えて家を出る。ふと上を見上げると、鮮やかな桜の木が花びらを舞い散らせ始業式を祝福していた。
椚ヶ丘中学が近くなるに連れて、本校舎の生徒達とも会うようになる。この間まで自分もあちら側にいたのだと思うと、やはり気分は落ち込んでしまう。
「ねぇ、あれ日暮さんじゃない？」
「ほんとだ。今日からE組だよね、かわいそう。」
前を歩く女子生徒二人は、一年の頃同じクラスであった子たちである。後ろにいる彼女を見てはヒソヒソと話す声はわざとらしいほどに聞こえてくる。
「かわいそう」その一言ですら彼女の胸を深く抉るには十分すぎる言葉だった。
「あいつ、浅野を殴ったんだろ？」
「まじかよ。そりゃ、E組に落ちて当然だわな。」
歩くたびに嫌味や悪口を話す生徒たち。彼らのいうことは本当だった。
「浅野学秀」理事長の一人息子であり、特進クラスA組で好成績を残すパーフェクト中学生と言われるほど。
そんな彼を殴ったのにはちゃんとした理由があるわけだが、それを伝えたところでやってしまったことが変わるわけでもない。
彼女は、おぼつかない足取りで本校舎の講堂へと向かった。
.
「あっ。日暮さん、こっちだよ！」
講堂につき、中へ入るとE組のほとんどが集合していた。彼女に気がついた水色髪の男子生徒が手招いた。
「おはよう、渚くん」
「おはよう。今日からよろしくね」
彼とはE組の中で一番面識があった。少し愛想のない挨拶を済ませると、彼の隣に並ぶ。自分に笑顔を向ける渚を横目に、始業式の準備に取り掛かる浅野をただ見ていた。
.
＜ええ、皆さん。四月になり、桜が芽吹くこの季節でこうして皆さんの顔を見れること幸せに思います。今年もよく勉強に励み、どこかの誰かさんたちみたいにならないように頑張っていきましょう！＞
校長先生のE組を煽る様な言葉に講堂中は生徒達の笑い声でいっぱいになる。その度に俯き、耐えるE組の生徒達。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキーナンバー
8
ラッキーアルファベット
X
ラッキー方角
西 - この方角に福があるはずです
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 194人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぜろ(プロフ) - 更新お待ちしています（ ; ; ） (2023年5月4日 16時) (
レス) id: 8c08daaa99 (このIDを非表示/違反報告)
猫好きな莉愛 - 優花さん» 私もネガティヴ何でね。別に馴れ馴れしくて大丈夫ですよ！明るい人とかはそういう人いそうなので。ネガティヴな発言になる前にダメだった場合のことを想定していってみればどうですか。｢迷惑だったらごめんなさい~~｣とか先に言えばどうですか？黙病だったの可哀想です (2018年8月26日 22時) (レス) id: ed92431d27 (このIDを非表示/違反報告)
ライカ - これからも頑張ってください！ (2017年10月28日 15時) (レス) id: 7c63adecef (このIDを非表示/違反報告)
優花 - 勇気の時間の迷惑じゃないかな…とかなってるとことか私に似すぎて逆に吹いたw既読無視はダメだし,やりたいけど迷惑…不参加でも非協力的だのなんだので省られそう…とか考えちゃうんです…ネガティヴなんですよ´・д・` (2017年10月18日 1時) (レス) id: 009eab373c (このIDを非表示/違反報告)
優花 - ………長々と愚痴ってすいませんでした。いきなりなれなれしく話してて本当にすいません。 (2017年10月18日 1時) (レス) id: 009eab373c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あかり | 作成日時：2017年9月9日 17時
