※第56話 ページ8
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奴等を騙すために怪盗キッドをこちら側につけて利用する。
「彼の変装を見破れるとしたら、キッドキラーのお前だけだ」
指名すれば瞳の奥に光が宿る。
まるで獣を狙う狩人にも似たそれ。
言うなれば探偵の性。
そして重要なピースはもう一人。
「工藤有希子に協力を頼めないか?」
相手はベルモット。
生半可な演技は出来ない。
舞台上で完璧を演じる彼女。
対抗するには同じ舞台に立てる女優が必要だ。
その提案には流石の赤井も驚いたようで怪訝そうに眉根を寄せた。
咥えていた煙草を灰皿に押し付ける。
赤井の眼差しが鋭さを増した。
「有希子さんを危険に晒すのか?」
ちらり、とコナンを盗み見ると鬼の形相で俺を睨んでいた。
「そんな怖い顔するなよ」
ベルモットは毛利蘭と江戸川コナンが身体的に傷付く事を嫌っている。
それは心の部分に対しても同じはずだ。
ならばーー
彼等がいる限りベルモットは工藤有希子に手は出せない。
「有希子さんの安全は保障する。・・・俺を信じてほしい」
真剣な眼差しをコナンと赤井に向けた。
二人は互いの顔を見合わせる。
不敵な笑みを浮かべる赤井に、コナンは小さく息を吐き出した。
「・・・Aさん知ってたんだね。有希子おばさんがベルモット、ーーいや。シャロン・ヴィンヤードと友人だって」
「情報屋だからな。っていっても少し潜っただけで色々と出てきたぞ」
たとえば二人が初代怪盗キッドである黒羽盗一に変装術を教わってた、とか。
「信じて良いんだよね?Aさんの事」
「あぁ。勿論」
「・・・信じるからね」
コナンは不安そうに眉根を寄せている。
任せろ、と安心させるように片頬を上げた。
・・・悪いな、名探偵。
降谷さんに対するNOCの疑いを少しでも逸らす為に俺の打てる手は限られる。
彼が組織の信頼を得る為に。
最大限この件を利用させてもらう。
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鐘稀(プロフ) - いおりさん» コメントありがとうございます!楽しみにして頂いてるなんて嬉しい限りです!体調に気を付けながら、亀ですが更新頑張ります! (2019年12月29日 17時) (レス) id: ff7da1074b (このIDを非表示/違反報告)
いおり - すっごい面白い、、、。これからもお体に気をつけて更新頑張ってください。楽しみに待ってます。 (2019年12月29日 15時) (レス) id: bce55b4438 (このIDを非表示/違反報告)
鐘稀(プロフ) - 涙さん» 初コメントありがとうございます!駄文で申し訳ないですが楽しんで頂けるようにこれからも頑張って更新します! (2019年12月18日 13時) (レス) id: ff7da1074b (このIDを非表示/違反報告)
涙(プロフ) - 続き楽しみに待ってます、 (2019年12月17日 22時) (レス) id: 5e6c663fd7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鐘稀 | 作成日時:2019年11月25日 14時