※第８５話 ページ37
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額に触れる肌の感触。
・・・何だろう？
ゆっくりと瞼を開いた。
「っ、」
飛び込んできたのは降谷さんの顔。
眉間に寄せられた眉根。
閉じられた瞼。
長い睫毛。
何で、こんな状況に？
頭の何で理解が追い付かない。
じっと見つめていると瞼を開いた降谷さんと視線が絡んだ。
ー・・・どくん。
胸の鼓動が一際大きな音を立てる。
「・・・酷い熱だ。本当は立ってるのもツラいんじゃないのか？」
「っ、わ。ちょっと」
驚く俺を他所に降谷さんが軽々と身体を横抱きにした。
触れられている箇所から熱を帯びる。
風邪によるものではない別の何かに侵されてるような感覚。
身体が小刻みに震えた。
「寝室は？」
「自分で歩く、からっ」
初めて会った日のデジャヴ。
今度こそは、と思うものの暴れる気力すらない。
「駄目だ。寝室まで連れていくから大人しくしているんだ」
諭すような声音。
射抜くような鋭い眼差し。
ぞくり、と肌を駆け抜けた。
嫌悪感？
ーーいや、違う。
奥から沸き上がってくるような形容しがたい胸の疼き。
耐えきれなくて思わず視線を逸らした。
「左の、部屋」
「・・・嫌かも知れないが、ベッドまで我慢してくれ」
溜め息混じりに吐き出された言葉に弾かれるように顔を上げた。
何か気に障っただろうか？
降谷さんに触れられて嫌だと思ったことなんて一度もないのに。
ぎゅっ、と胸元のシャツを握り締める。
応えるように降谷さんの抱き締める腕の力が強くなった。
じんわりと伝わる体温。
規則正しい胸の鼓動。
聞いてるだけで安心する。
一人で寂しかった？
誰かに傍にいてほしかった？
俺にとってその'誰か'が。
ー・・・降谷零、だった？
熱に浮かされた思考では、これ以上考えられなくて。
波打つ心音と揺さぶられる心地好さに俺の意識は遠退いた。
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鐘稀(プロフ) - いおりさん» コメントありがとうございます！楽しみにして頂いてるなんて嬉しい限りです！体調に気を付けながら、亀ですが更新頑張ります！ (2019年12月29日 17時) (
レス) id: ff7da1074b (このIDを非表示/違反報告)
いおり - すっごい面白い、、、。これからもお体に気をつけて更新頑張ってください。楽しみに待ってます。 (2019年12月29日 15時) (レス) id: bce55b4438 (このIDを非表示/違反報告)
鐘稀(プロフ) - 涙さん» 初コメントありがとうございます！駄文で申し訳ないですが楽しんで頂けるようにこれからも頑張って更新します！ (2019年12月18日 13時) (レス) id: ff7da1074b (このIDを非表示/違反報告)
涙(プロフ) - 続き楽しみに待ってます、 (2019年12月17日 22時) (レス) id: 5e6c663fd7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鐘稀 | 作成日時：2019年11月25日 14時
