※第84話 ページ36
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「ふ、ーー安室さん!?」
驚きのあまり本名を叫びそうになった。
しっかり聞こえていたらしく安室さんが苦笑を漏らす。
「えっと。何で此処に?」
「ベルモットから風邪を引いたと聞いて」
ベルモット?
もしかしてジンの言ってた'他を当たる'って安室さんのこと?
「何回か電話したのですが繋がらなくて」
焦りましたよ、と安室さんは困ったように微笑んだ。
「あ〜。ジンから電話があったあと電源落としてたんだ」
「そうでしたか。・・・とりあえず中に入っても?」
この状態の部屋に人を入れたくは無い。
だけど、わざわざ心配して来てくれたのに追い返すわけにもいかない。
・・・驚くよなぁ、きっと。
小さく息を吐き出した。
「・・・どうぞ」
ガチャッ、とエントランスのロックを解除した。
数分後ー・・・
エントランスのインターホンとは違う呼び鈴が部屋に響いた。
玄関の扉を開くと買い物袋を引っ提げた安室さんの姿。
「それは?」
「スーパーで買ったんですよ。どうせ何も食べてないでしょう?」
お邪魔しますね、と俺の脇をすり抜けてリビングの扉を開いた。
瞬間ー・・・
安室さんが固まった。
「・・・何があった?」
一瞬で安室透から降谷零に変わる。
今日は盗聴されてないのか。
されてたとしてもジャミングしてある俺の部屋では全くの無意味だけど。
想定内の反応に思わず苦笑が漏れた。
降谷さんの目の前に現れたのは割れたパソコン画面と埃被ったベース。
あの日から時間が止まったままの空間が広がっていた。
「何も。片付ける気になれないだけ」
ーーいや。
少なくとも景光との約束を果たすまでは片付けるつもりはない。
察したらしい降谷さんは、それ以上は何も聞いてこなかった。
「・・・熱は?」
「体温計、持ってない」
降谷さんが呆れたように溜め息を吐く。
買い物袋を床に置き俺の腕を掴んで身体を引き寄せた。
「へ?」
ぐらり、とバランスを崩した身体。
降谷さんが受け止めてくれた。
「っ、」
顔を上げれば前髪にそっと触れる指。
その冷たさに身体が強張った。
固く瞼を瞑っていると。
コツンーー
額に何かが当たる音がした。
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鐘稀(プロフ) - いおりさん» コメントありがとうございます!楽しみにして頂いてるなんて嬉しい限りです!体調に気を付けながら、亀ですが更新頑張ります! (2019年12月29日 17時) (レス) id: ff7da1074b (このIDを非表示/違反報告)
いおり - すっごい面白い、、、。これからもお体に気をつけて更新頑張ってください。楽しみに待ってます。 (2019年12月29日 15時) (レス) id: bce55b4438 (このIDを非表示/違反報告)
鐘稀(プロフ) - 涙さん» 初コメントありがとうございます!駄文で申し訳ないですが楽しんで頂けるようにこれからも頑張って更新します! (2019年12月18日 13時) (レス) id: ff7da1074b (このIDを非表示/違反報告)
涙(プロフ) - 続き楽しみに待ってます、 (2019年12月17日 22時) (レス) id: 5e6c663fd7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鐘稀 | 作成日時:2019年11月25日 14時