※第５２話 ページ4
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翌日、昼過ぎ。
俺は工藤邸の前にいた。
呼び鈴を鳴らすと玄関の開く音と共に沖矢昴が顔を見せる。
「これは高崎さん。こんな朝早くにどうかされましたか？」
「確認したい事があるんだけど、入っても？」
「・・・コナン君も呼びましょうか？」
いや、と首を横に振る。
「コナンには聞かせたくない話だから」
彼は俺達とは毛色が違う。
黒のゴーグルをずらし紅い瞳で沖矢を真っ直ぐ見つめた。
「・・・どうぞ」
応接室でソファに腰を下ろす。
外套を脱ぎゴーグルを首に下げた。
取り出したのは橙色のタブレット。
「これなんだけど」
画面を覆い尽くすのは文字化けしたような記号の羅列。
此処に映るのは膨大な情報の集約。
そのある一点を指で示した。
ぴくり、と沖矢の眉が動く。
「お前さ、何で跡残したりするかな」
「・・・何の事でしょう？」
沖矢は愉快そうに片頬を上げた。
赤井とは違う物腰の柔らかい声音。
コイツに合わせてたら確実にペースが乱される。
「真面目に話がしたいんだけど」
鋭い眼光で沖矢を見据えた。
仕方ない、と息を吐き首筋に触れる。
小さな電子音がしたかと思うと赤井は沖矢昴のマスクを剥いだ。
「流石だな、ブラッディ」
聞き慣れた低音。
緑色の射るような眼差し。
「哀が宮野志保だってことも気付いてたな？」
「あぁ」
ーーやっぱり。
「・・・俺を試したのか？」
「まさか」
惚けるような赤井の声音に頭を抱えた。
「この跡だって気付いたのが俺じゃなかったら、どうしてたんだ」
「心配ない。アレに気付くのはお前くらいだ」
ってことは試したんじゃん。
喉元まで出かかった言葉をギリギリで呑み込んだ。
赤井はとことんマイペースな男。
何を言っても聞きはしない。
およそ二年の付き合い。
それだけは熟知していた。
息を吐き出し落ち着きを取り戻す。
「・・・もう一つ聞きたいんだけど」
「何だ？」
「一年前、ニューヨークで起きた通り魔事件」
覚えてるか？と視線で問いかけた。
赤井の瞳が揺れる。
いつも冷静沈着な男が見せる僅かな揺らぎに片頬を上げた。
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鐘稀(プロフ) - いおりさん» コメントありがとうございます！楽しみにして頂いてるなんて嬉しい限りです！体調に気を付けながら、亀ですが更新頑張ります！ (2019年12月29日 17時) (
レス) id: ff7da1074b (このIDを非表示/違反報告)
いおり - すっごい面白い、、、。これからもお体に気をつけて更新頑張ってください。楽しみに待ってます。 (2019年12月29日 15時) (レス) id: bce55b4438 (このIDを非表示/違反報告)
鐘稀(プロフ) - 涙さん» 初コメントありがとうございます！駄文で申し訳ないですが楽しんで頂けるようにこれからも頑張って更新します！ (2019年12月18日 13時) (レス) id: ff7da1074b (このIDを非表示/違反報告)
涙(プロフ) - 続き楽しみに待ってます、 (2019年12月17日 22時) (レス) id: 5e6c663fd7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鐘稀 | 作成日時：2019年11月25日 14時
