※第７８話 ページ30
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俺が落ち着くまで降谷さんは優しい手付きで背中を撫で続けてくれた。
まるで幼い子供を諭すような'それ'が恥ずかしくて堪らない。
ーー顔が熱い。
きっと真っ赤に染まってる。
耐えきれずに両手で胸板を押し返せば腕の力が僅かに緩んだ。
「もう大丈夫なのか？」
降谷さんが顔を覗き込む。
瞳に映る俺の顔は瞼が腫れ紅い双眸が剥き出しになっていた。
カラコン、取れたのか。
顔が上げられず俯いたままの俺の頬に降谷さんの手が触れる。
輪郭をなぞる指の動き。
僅かに残された目尻の涙を拭われた。
「車に戻るか？」
「ーー・・・戻らない」
嫌だ、と頭を横に振る。
息を吐き出し辛そうに眉根を寄せる降谷さんを真っ直ぐ見つめた。
「・・・暴いてくれるんでしょ？俺を」
挑発するような笑みを浮かべる。
降谷さんが呆れたように深く息を吐き出した。
「・・・お前が良いなら続けよう」
降谷さんの鋭い眼差しが俺を射ぬく。
ごくり、と喉を鳴らした。
高鳴る胸の鼓動。
まるで耳元で鳴っているように煩い。
小さく頷けば降谷さんが目を細め柔らかい笑みを浮かべた。
「君は僕の敵じゃない」
「っ、」
その言葉が琴線に触れる。
涙がまた溢れそうになった。
歪んだ視界の先。
困ったように微笑む降谷さんの姿。
「泣かないでくれ。・・・どうにも君の涙には弱い」
降谷さんの両手が頬を優しく包み込んだ。
「ヒロに頼まれたんじゃないのか？自分が死んだ後の事を」
核心を突く言葉。
「君が俺の前に現れたのは、救えなかったヒロへの贖罪」
そしてーー
「ヒロとの約束を果たす為。違うか？」
瞳を細めれば目尻から涙が溢れ頬に触れている降谷さんの手を濡らした。
やっぱり敵わないなぁ。
「・・・すごいね、降谷さん。景光の幼馴染みだけあるよ」
「ヒロの奴。そんな話までしたのか」
驚きに目を見開く降谷さんの姿に思わず吹き出してしまった。
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鐘稀(プロフ) - いおりさん» コメントありがとうございます！楽しみにして頂いてるなんて嬉しい限りです！体調に気を付けながら、亀ですが更新頑張ります！ (2019年12月29日 17時) (
レス) id: ff7da1074b (このIDを非表示/違反報告)
いおり - すっごい面白い、、、。これからもお体に気をつけて更新頑張ってください。楽しみに待ってます。 (2019年12月29日 15時) (レス) id: bce55b4438 (このIDを非表示/違反報告)
鐘稀(プロフ) - 涙さん» 初コメントありがとうございます！駄文で申し訳ないですが楽しんで頂けるようにこれからも頑張って更新します！ (2019年12月18日 13時) (レス) id: ff7da1074b (このIDを非表示/違反報告)
涙(プロフ) - 続き楽しみに待ってます、 (2019年12月17日 22時) (レス) id: 5e6c663fd7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鐘稀 | 作成日時：2019年11月25日 14時
