※第75話 ページ27
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「・・・無理」
「お前でも、か?」
「あぁ」
ーー本当は可能だ。
前に侵入したときに俺専用のバッグドアを仕掛けてある、が。
リストを組織に渡すわけにはいかない。
渡れば景光との約束を果たせなくなる。
だから俺以外が侵入出来ないように何重にも罠を仕掛け直した。
並大抵の奴じゃ、まず侵入出来ない。
「NOCリストが欲しいなら、直接警察庁に忍び込むしか方法はない」
「っ、おい」
'NOCリスト'
'警察庁'
この二つの単語に反応した安室さんが俺の肩を掴んだ。
見開かれた安室さんの瞳と視線が絡む。
通話口ではジンの舌打ちが聴こえた。
ジンは焦っている。
スコッチの件があって以来、見付かるNOCの数が前にも増して多い。
・・・粛清、したがってる。
表情を歪める安室さんから視線を逸らしジンとの会話に集中した。
「お前でも、ってことは他の奴にも同じこと言われたんだろ?」
「あぁ。何重にも罠が張り巡らされてて近付けない、ってな」
「どうしても手に入れたいならキュラソーに頼むんだな」
キュラソーなら身体能力に申し分無い上に俺と同じく記憶能力は高い。
「っ、誰があんな女に」
まぁジンのプライドが折れない以上、彼女が出てくることはない、か。
俺としても接触を図る好機なんだけど。
あとはNo.2。
キュラソーの直属の上司、ラム次第。
・・・まだ先は遠そうだ。
っていうか、さっきから安室さんの視線が刺さってる。
バーボンでもなく安室透でもない。
降谷零の顔をしてた。
気付かれないように溜め息を吐いた。
「・・・もう用は無いだろ?今日は巻き込まれて疲れたし。じゃあな」
「おい、待て」
ジンの声を無視して通話を切った。
恐る恐る視線を向ければ安室さんが爽やかな笑みを浮かべている。
「説明してくれますよね」
「えっと。・・・何処から?」
「最初からに決まってるだろう」
呆れたような声音。
逃がさない、と言いたげな眼差しに観念するしかなかった。
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鐘稀(プロフ) - いおりさん» コメントありがとうございます!楽しみにして頂いてるなんて嬉しい限りです!体調に気を付けながら、亀ですが更新頑張ります! (2019年12月29日 17時) (レス) id: ff7da1074b (このIDを非表示/違反報告)
いおり - すっごい面白い、、、。これからもお体に気をつけて更新頑張ってください。楽しみに待ってます。 (2019年12月29日 15時) (レス) id: bce55b4438 (このIDを非表示/違反報告)
鐘稀(プロフ) - 涙さん» 初コメントありがとうございます!駄文で申し訳ないですが楽しんで頂けるようにこれからも頑張って更新します! (2019年12月18日 13時) (レス) id: ff7da1074b (このIDを非表示/違反報告)
涙(プロフ) - 続き楽しみに待ってます、 (2019年12月17日 22時) (レス) id: 5e6c663fd7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鐘稀 | 作成日時:2019年11月25日 14時