※第74話 ページ26
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貨物車両の爆発の所為で俺達は全員、途中下車させられた。
「粉々になるのはシェリーだけで十分でしょ?」
ベルモットがジンと通話を終えた直後。
背後では会話を弾ませる少年探偵団と哀を背負った阿笠博士の姿。
気付かれないようにフードを目深に被り気配を消す。
ちらり、と隣を盗み見れば驚いた表情のまま固まるベルモット。
無意識に口角が上がった。
一度で良いから、その顔が見たかった。
「ガッカリよ!これでキッド様来られなくなっちゃったしー・・・」
「この列車、現場検証で当分使えないしね・・・」
蘭さんと園子さんの会話に怪盗キッドの名が出てきたことで、漸くベルモットも理解が追い付いたらしい。
苦々しげに眉根を寄せた。
「赤井が死ぬ前後の詳細なファイル。もう一度、見せてくれないか?」
安室さんとベルモットの会話に出てきた名前に、深く息を吐き出した。
・・・赤井の奴。
何か予定外の行動しやがったな。
安室さんが本気になって調べれば赤井の死の偽装なんてすぐにバレる。
どうする?
放っておくか?
それともーー
「帰りましょう。高崎さん」
思考に耽っていると安室さんの優しい声音が鼓膜を揺らした。
「・・・あれ?ベルモットは?」
「彼女なら先に行きましたよ。今日は此処で解散だそうです」
解散、って。
だから俺は関係無いだろ。
Buーー、Buーー
突然のバイブ音にスマホを取り出せば'ジン'の文字。
覗き込んだ安室さんの空気が一変する。
「・・・出るんですか?」
「ーー出るよ。取引相手だからね」
不機嫌そうな安室さんを尻目にスマホを耳に当てた。
「もしもーし」
「無事だったみたいだな」
「お陰様で。誰かさんの予定通りだったら死んでたけどね」
俺の言葉に反応した安室さんから緊張が伝わる。
自分の唇に人差し指を当て微笑んだ。
意味を理解したのか安室さんが小さく頷いてくれた。
「はっ、生きてたんだ。問題無いだろ」
「ほんと性格歪んでるよな。ーーで、本題は?」
「察しが良いな、ブラッディ」
満足そうなジンの声音。
・・・嫌な予感しかしないんだけど。
気付かれないように息を吐き出した。
「・・・で、何?」
「NOCリストを盗み出せ」
ほら、やっぱり。
録な依頼じゃない。
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鐘稀(プロフ) - いおりさん» コメントありがとうございます!楽しみにして頂いてるなんて嬉しい限りです!体調に気を付けながら、亀ですが更新頑張ります! (2019年12月29日 17時) (レス) id: ff7da1074b (このIDを非表示/違反報告)
いおり - すっごい面白い、、、。これからもお体に気をつけて更新頑張ってください。楽しみに待ってます。 (2019年12月29日 15時) (レス) id: bce55b4438 (このIDを非表示/違反報告)
鐘稀(プロフ) - 涙さん» 初コメントありがとうございます!駄文で申し訳ないですが楽しんで頂けるようにこれからも頑張って更新します! (2019年12月18日 13時) (レス) id: ff7da1074b (このIDを非表示/違反報告)
涙(プロフ) - 続き楽しみに待ってます、 (2019年12月17日 22時) (レス) id: 5e6c663fd7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鐘稀 | 作成日時:2019年11月25日 14時