※第７０話 ミステリー・トレイン ページ22
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「世間では、父さんは自 殺」
「貴方はそう思って無いってことね」
哀の言葉に小さく頷いた。
「父さんも情報屋だった。・・・貧乏な孤児院の経営を助ける為に」
捨て子だった俺。
父さんとの間に血の繋がりはない。
情報屋の仕事上、普段から別々の場所でそれぞれの生活を送っていた。
「白岩和人」
「白岩？」
ぴん、とこないのか首を傾げている。
どうやら哀は知らないらしい。
「父さんが使ってた偽名」
父さんは組織と繋がっていた。
もっと大きい取引をする為に組織の情報網にのめり込んでいった。
その先でーー
見付けてはいけない'情報'を見付けてしまった。
「それは・・・」
ヘル・エンジェルが関わっていた研究。
「ATPX4869の製造データとその他の機密情報」
「っ、」
哀の瞳が大きく揺れる。
喉が上下するのが見てとれた。
「別にヘル・エンジェルを恨んではないよ。・・・哀の事も」
俺が恨んでるのは組織本体。
身分を悟られない為に父さんは戸籍を二重に所持していた。
組織は俺と白岩和人の関係を知らない。
それを利用して俺は組織に近付いた。
「貴方はデータの中身を知ってるの？」
「ーーいや。父さんのパソコンには何も残されてなかった」
だからこそ知りたい。
父さんが組織の何を知ったのか。
父さんの死後。
'知り過ぎた'と殺されかけた組織の人間がいる。
父さんが頻繁に接触していた。
コードネーム：キュラソー
お前は何か知っているのか？
「組織の仕業なら自 殺の偽装は入念にしたはず。・・・どうして分かったの？」
「残された遺書に付着してた涙の跡」
「っ、まさか！？」
景光が調べてくれた。
涙に含まれていた成分。
「ナトリウムの量が異常に多かった」
人はその時の感情の起伏で涙に含まれる成分に結構な差が出る。
嬉しさや悲しみの籠った涙にはカリウムが多く含まれる。
逆にー・・・
悔しさや怒りの籠められた涙にはナトリウムが多く含まれる。
「あの日、父さんは緊張状態にあった」
「でも、それだけじゃ」
「使われたペンのインクの成分も、残されてたペンと違ってた」
きっぱり言い切ると哀は呆れたように肩を竦めた。
「・・・貴方、本当にただの情報屋なの？」
「だからこそ、だろ」
片目を瞑り不敵な笑みを浮かべた。
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鐘稀(プロフ) - いおりさん» コメントありがとうございます！楽しみにして頂いてるなんて嬉しい限りです！体調に気を付けながら、亀ですが更新頑張ります！ (2019年12月29日 17時) (
レス) id: ff7da1074b (このIDを非表示/違反報告)
いおり - すっごい面白い、、、。これからもお体に気をつけて更新頑張ってください。楽しみに待ってます。 (2019年12月29日 15時) (レス) id: bce55b4438 (このIDを非表示/違反報告)
鐘稀(プロフ) - 涙さん» 初コメントありがとうございます！駄文で申し訳ないですが楽しんで頂けるようにこれからも頑張って更新します！ (2019年12月18日 13時) (レス) id: ff7da1074b (このIDを非表示/違反報告)
涙(プロフ) - 続き楽しみに待ってます、 (2019年12月17日 22時) (レス) id: 5e6c663fd7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鐘稀 | 作成日時：2019年11月25日 14時
