※第38話 side:快斗 ページ39
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・・・今。
なんて言った?
雪成先生の・・・
・・・家?!
「・・・い、おい!聞いてんのか、黒羽!」
「へ?!」
ハッ、と我に返り顔を上げれば雪成先生が呆れたように肩を竦めた。
「さっきから着替えとか無いのかって聞いてんだけど」
「あ、あぁ」
白マントに白スーツ。
キッドの格好は街中を闊歩するには十分すぎるくらい目立つ。
「えっ、・・・と。変装用のなら何着かあるかな」
「なら早く着替えろ」
顎で示された先。
白色のパーテーション。
・・・男同士なのに?
という疑問はさておいて。
言われた通りパーテーションの裏側に行き無難なところでパーカーを被りジーパンに穿き替えた。
「お待たせ、先生」
出てきた俺の姿に雪成先生の瞳が大きく見開かれた。
「・・・やっぱ似てるな」
「工藤新一に?」
「っ、」
出かかった言葉は恐らくソレ。
「よく言われる」
へらり、と笑えば雪成先生が気まずそうに視線を逸らし頬を掻いた。
「・・・何か悪ぃ」
「別に謝る事じゃないから。俺がソレを利用してきたのは事実だし。今も利用してる」
「へぇ」
鞄から取り出した棒付き飴を口に咥えて雪成先生は出入り口へと歩き出した。
・・・いつもの癖だ。
考え事をする時や気まずい時は決まって甘いモノに手が伸びる。
「何してる?準備出来たんなら、さっさと行くぞ」
「りょーかい」
.
「此処が先生の家かぁ」
白塗りのマンション。
DKの奥に部屋が1つだけの間取り。
独り暮らしには十分な広さなんだろうし中も綺麗に片付いてはいるんだけど。
・・・なんて言うか。
「狭っ」
カウンセリングやら養護教諭なんてしてるからイイトコに住んでるって勝手に想像してた。
「悪かったな!狭くて!」
思ったままを口にしたら雪成先生が頬を染め子供のように頬を膨らませた。
え?
なにその可愛い反応。
じゃなくて!
邪念を払うように頭を振り部屋の中をぐるり、と見渡した。
ぎっしりに埋め尽くすように医学書やら精神学書やら何やらが並ぶ本棚。
・・・なんて言うか。
すげぇ圧迫感ない?
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鐘稀(プロフ) - くれはさん» コメントありがとうございます!引き続き楽しんでもらえるよう亀更新ですが頑張りますね! (2020年4月1日 7時) (レス) id: ff7da1074b (このIDを非表示/違反報告)
くれは - 頑張って!続き出来たら飛んできます!w (2020年3月30日 20時) (レス) id: 2bfb99dd96 (このIDを非表示/違反報告)
鐘稀(プロフ) - くるすけさん» コメントありがとうございます!はい!ちょっとずつですが更新頑張ります!ありがとうございました! (2020年2月24日 19時) (レス) id: ff7da1074b (このIDを非表示/違反報告)
鐘稀(プロフ) - そらさん» コメントありがとうございます!楽しんで頂けたなら幸いです!とてつもなく亀で申し訳ないですが生ぬるい目で見守ってやってください(笑)ありがとうございました! (2020年2月24日 19時) (レス) id: ff7da1074b (このIDを非表示/違反報告)
くるすけ - 面白かったです!更新頑張ってください! (2020年2月24日 14時) (レス) id: 022b55326f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:撞稀 | 作成日時:2020年2月11日 21時