※第37話 ページ38
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「・・・で?お前は一体何をやってるんだ、黒羽」
「あは、は」
・・・ー30分前ー・・・
21時を少し過ぎた頃。
「ありがとうございました!雪成先生!」
「また何かありましたら何時でも相談しに来てください」
本日最後のカウンセリング客を見送って。
「っし。今日も1日終わったぁ」
両手を天井へ伸ばしソファに雪崩れ込んだ、瞬間。
ガタガタ、ガタンッー・・・
「っ、何だ?!」
窓側から聞こえた盛大な物音に勢いよく顔を上げれば。
其処にいたのはー・・・
白いマントを靡かせ白いスーツに身を包んだ、元生徒。
「・・・黒、羽?」
顔が青白く見えるのは月明かりの所為か?
所々スーツも擦れてるし。
「何やってんだか」
流石にこのまま放置して帰るわけにもいかず声を掛けようと手を伸ばせば。
「あ、っぶなかったぁ」
少しばかり大袈裟に肩を落とし黒羽が安堵の息を漏らした。
「マジで殺されるかと思った」
格好から察するに。
今日も世間を騒がせてきた、ってところか。
怪盗になったのは何故だ、とか。
宝石ばかり狙う理由は何だ、とか。
聞きたいことは色々ある、が。
取り敢えず。
「・・・自業自得だろ」
「それ言ったら駄目でしょ、先生」
黒羽が困ったように眉根を寄せ、へらり、と力なく微笑んだ。
喋らなければなぁと思ったことは何度かある、が。
ああいう弱った表情もまた。
女子の母性本能を擽るのには十分なんだろうな。
・・・生憎と。
男の俺にはよく分からないが。
「・・・で?お前は一体何をやってるんだ、黒羽」
「あは、は。・・・実は」
今日の目当ては鈴木財閥が所有している宝石だったらしい。
園子の事だからな。
蘭を呼んでいたなら江戸川が居合わせていても想定内。
驚いたのは。
あの園子に彼氏がいて。
それがあの400戦無敗の京極真だったってことだ。
「お嬢様と賭けをしたんだけど見事にヤられて。宝石も欲しかったヤツじゃなかったし」
・・・気のせいだろうか。
黒羽の頭に垂れた犬耳と背後にやる気のない尻尾が見えるのは。
「あ〜。・・・取り敢えず、うちに来るか?」
このまま此処でヘコまれても困る。
なによりー・・・
早く家に帰りたいんだよ、俺は。
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鐘稀(プロフ) - くれはさん» コメントありがとうございます!引き続き楽しんでもらえるよう亀更新ですが頑張りますね! (2020年4月1日 7時) (レス) id: ff7da1074b (このIDを非表示/違反報告)
くれは - 頑張って!続き出来たら飛んできます!w (2020年3月30日 20時) (レス) id: 2bfb99dd96 (このIDを非表示/違反報告)
鐘稀(プロフ) - くるすけさん» コメントありがとうございます!はい!ちょっとずつですが更新頑張ります!ありがとうございました! (2020年2月24日 19時) (レス) id: ff7da1074b (このIDを非表示/違反報告)
鐘稀(プロフ) - そらさん» コメントありがとうございます!楽しんで頂けたなら幸いです!とてつもなく亀で申し訳ないですが生ぬるい目で見守ってやってください(笑)ありがとうございました! (2020年2月24日 19時) (レス) id: ff7da1074b (このIDを非表示/違反報告)
くるすけ - 面白かったです!更新頑張ってください! (2020年2月24日 14時) (レス) id: 022b55326f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:撞稀 | 作成日時:2020年2月11日 21時