※第3話 ページ4
×
この辺で毛利探偵事務所って言ったら。
「蘭の家だよな」
「雪成先生、蘭お姉さんのこと知ってるの?!」
嬉しそうに声を弾ませキラキラとした眼差しを向ける吉田に苦笑を漏らした。
「まぁ、昔な。小五郎さんには世話になってたから」
白衣のポケットからスマホを取り出す。
アドレス帳を捲る指を止めて小さく息を吐き出した。
・・・連絡先、変わってるよなぁ。
「なぁ。小五郎さんの番号って」
「変わってないよ」
言い切る前に即答した江戸川に思わず目を見開いた。
「・・・は?」
何で俺の知りたいことが分かった?
普通なら連絡するために番号を聞かれてると思うだろ。
眉間に皺を寄せ凝視すれば江戸川の視線が逸れた。
「いや、あの。連絡が来るのを待ってる奴がいるって。だから、・・・その」
「へぇー、それで?」
慌てふためく江戸川の挙動を逃さないよう、じっと見つめる。
「そ、それで。えぇっと、そうだ!」
思い出したように声を上げた。
「おじさんに依頼があって今日は朝からいないんだった」
・・・嘘だな。
さっきから視線が右上を向いている。
会わせたくない理由でもあるのか?
それとも何か知られたくない事情がある、とか。
自然と口角が上がった。
「・・・臨床心理士なめんなよ」
江戸川が一体、何を隠してるのか。
ほんの少しだけ。
・・・いや。
かなり興味が湧いた。
「江戸川は俺が病院に連れていく。お前らはちゃんと授業受けろよ」
「ずりぃな、コナンだけ」
お前が言うな、小嶋。
「今回は仕方ないにしても次からはボールだけじゃなく回りも見ろよ、小嶋」
人差し指で額を小突けば小嶋がガックリと肩を落とした。
一応は反省しているらしい。
カランー・・・
白衣のポケットからドロップ缶を取り出し小嶋の口の中に飴を放り込んだ。
「元気だせ、な?」
「お、おう」
「あ〜、元太君ズルい!」
「雪成先生、僕達にもくださいよ!」
「仕方ないなぁ」
吉田と円谷。
それぞれの口の中に飴を放り込んだ。
灰原にもやろうとしたのだが丁重に断られてしまった。
「他の奴には内緒だからな」
片目を瞑り片頬を上げた。
「はーい!」
「まとめ役、頼んだからな。灰原さん」
「分かってる。・・・江戸川君のこと頼んだわよ」
そう言い残して灰原は小嶋達を連れて保健室をあとにした。
×
307人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
鐘稀(プロフ) - くれはさん» コメントありがとうございます!引き続き楽しんでもらえるよう亀更新ですが頑張りますね! (2020年4月1日 7時) (レス) id: ff7da1074b (このIDを非表示/違反報告)
くれは - 頑張って!続き出来たら飛んできます!w (2020年3月30日 20時) (レス) id: 2bfb99dd96 (このIDを非表示/違反報告)
鐘稀(プロフ) - くるすけさん» コメントありがとうございます!はい!ちょっとずつですが更新頑張ります!ありがとうございました! (2020年2月24日 19時) (レス) id: ff7da1074b (このIDを非表示/違反報告)
鐘稀(プロフ) - そらさん» コメントありがとうございます!楽しんで頂けたなら幸いです!とてつもなく亀で申し訳ないですが生ぬるい目で見守ってやってください(笑)ありがとうございました! (2020年2月24日 19時) (レス) id: ff7da1074b (このIDを非表示/違反報告)
くるすけ - 面白かったです!更新頑張ってください! (2020年2月24日 14時) (レス) id: 022b55326f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:撞稀 | 作成日時:2020年2月11日 21時