※第１２話 ページ13
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茶褐色の肌に金髪、青目。
それが風見さんの。
'年下の上司'
っていっても29歳。
俺と風見さんの丁度、真ん中。
なら一体、何が問題なのか。
「指示は的確。無駄な事は一切せず決して読みも外さない」
失態すらしたことがないという風見さんの上司。
所謂、完璧人間。
「無論、憧れも尊敬もしている。・・・だが」
困ったように眉根を寄せ風見さんが言い淀んだ。
「言葉を選ばなくて大丈夫ですから風見さんの思う通りに話してください」
微笑みかければ風見さんの肩から力が抜けるのが見て取れた。
「・・・時々、分からなくなる」
何を意図しているのか。
説明を求めても返ってはこない。
全てが終わった後で。
気付かされることの多さ。
何故、最初から話しておいてくれないのか。
最初から話してくれていれば、もっと役に立てる筈。
「やはり年上の部下というのは扱いづらいのだろうか」
自分の不甲斐なさに対するコンプレックス。
それが風見さんの根幹。
「信頼しているからじゃないですか？風見さんを」
「信頼、ですか？」
「えぇ」
表裏一体ではあるだろうけど。
「何も言わなくても応えてくれる。自分を信じて付いてきてくれる」
深く話さないのは。
同時に違う心理が働くから。
「そういう信頼感」
'踏み込んでほしくない'
巻き込みたくない。
近づいてほしくない。
'知られたくない'
「・・・そうだろうか」
きっと風見さんも薄々は気付いているだろうこと。
「俺はその上司の方ではないので『そうだ』と肯定は出来ませんけど」
信頼関係は片一方が思っているだけでは成り立たないから。
「風見さんが信じている限りは揺るがないと思いますよ」
安心させるように笑いかければ風見さんの表情が緩んだ。
「また此処に来ても良いだろうか？」
「風見さんが良ければ。いつでも大歓迎です」
すっかり空になった珈琲。
風見さんの表情も何処となく晴れやかで。
来たとき同様。
支払いを済ませた風見さんは丁寧な一礼をして扉の外へ消えていった。
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鐘稀(プロフ) - くれはさん» コメントありがとうございます！引き続き楽しんでもらえるよう亀更新ですが頑張りますね！ (2020年4月1日 7時) (
レス) id: ff7da1074b (このIDを非表示/違反報告)
くれは - 頑張って！続き出来たら飛んできます！w (2020年3月30日 20時) (レス) id: 2bfb99dd96 (このIDを非表示/違反報告)
鐘稀(プロフ) - くるすけさん» コメントありがとうございます！はい！ちょっとずつですが更新頑張ります！ありがとうございました！ (2020年2月24日 19時) (レス) id: ff7da1074b (このIDを非表示/違反報告)
鐘稀(プロフ) - そらさん» コメントありがとうございます！楽しんで頂けたなら幸いです！とてつもなく亀で申し訳ないですが生ぬるい目で見守ってやってください(笑)ありがとうございました！ (2020年2月24日 19時) (レス) id: ff7da1074b (このIDを非表示/違反報告)
くるすけ - 面白かったです！更新頑張ってください！ (2020年2月24日 14時) (レス) id: 022b55326f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：撞稀 | 作成日時：2020年2月11日 21時
