※第25話 ページ27
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「それじゃあ、昴さん。またね」
「えぇ。高崎さんも、また何時でもいらしてください」
再び変声機で声を変え、沖矢昴のマスクを付けた赤井に見送られ、コナンと二人歩きだす。
その手は何故かしっかりと握られ、離してくれそうにない。
不快感に眉根を寄せる。
しかし、人の目がある外では無闇に振りほどくわけにもいかない。
何で俺が見た目小学生、中身高校生のガキを送らなきゃならない。
まぁ、でも丁度いい。
知らなきゃ此方も下手には動けないし。
「なぁ、コナン。お前の正体知ってる奴って誰?」
問いかけにコナンは顎に手を宛て、思考を巡らせた。
「阿笠博士と灰原。俺の両親に服部。それから・・・怪盗キッド」
ーープラス、俺。
全員で七人。
・・・意外と多くないか?
ジト目で見れば、何が言いたいのか分かったらしく「それよりさぁ」と話を逸らされた。
「さっき昴さんと言ってた'彼'って、安室さんのことだよね?」
「・・・さぁ、それはどうだろう。俺と沖矢の共通の知り合いなんて、他にもいるし」
誤魔化しても無駄だよ、と言いたげに、コナンの眼光が鋭くなる。
「昴さんの問いに高崎さんは'とりあえず'って答えた。つまり米花町に来てから会った人だ」
'彼'=相手は男
米花町に着いてから、真っ直ぐコロンボへ向かった俺。
つまり'彼'とはあの場に居た人物の誰か。
コナンはそう考えた。
「高崎さんがあの場で会話したのは元太達と俺」
ーーそして、安室さん。
合ってるでしょ?とコナンが得意気に片頬を上げる。
ほんと、可愛げのない奴。
「安室さんの何を知ってるの?」
その問いに、小さく息を吐き出した。
情報は毒。
使い方を誤れば相手を追い詰め、簡単に人生を奪い消し去る。逆もまた然り。
「コナンはまだ、知らなくていい」
必要な時に必要な分だけ。
その裁量は俺次第。
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作者名:鐘稀 | 作成日時:2019年11月2日 21時