あと少しでいいから＿後日譚【まふまふ】 (ページ4)

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まふまふside

朝。

今日は僕が退院する日だ

看護師さんにありがとうございましたとお礼を伝えた

看「体調崩さないように気をつけてね？」

と少しからかったように言った

ま「気をつけます…」

僕は笑い半分で返した

看「そういえば」

と言って少し周りを見た

僕は何を言おうとしているのか分からなかったが

看「ほら…隣の部屋にいた」

と少し歯切れの悪い言い方で言った

ま「Aちゃんですか？」

看「うん。伝えておいてくださいって言われたのを思い出して

退院おめでとう。だって」

ま「ありがとうございます」

Aちゃんはどこまでも...

一つも漏れなく言葉を残している

僕はお母さんが来る前にと思い

隣の部屋へ向かった

ドアを開けて中にはもちろん誰もいなかった

ま「Aちゃん、ありがとう

Aちゃんと一緒にいれた毎日が楽しかったよ

僕は今日でここからいなくなるんだ

だから僕がもう1回体調めちゃくちゃ崩さないと戻って来れない(笑)

僕ね、明日からの日々が怖かった

でもねAちゃんのおかげで頑張れそう

ちゃんと言われた通りに未来をみてくるね

本当にありがとう」

僕は誰もいない空間に静かに語りかけた

僕は部屋を出て自分の部屋に戻った

『わざわざありがとう』

僕の思い込みかもしれないが

僕の後ろからそんな声が聴こえた気がした

その後迎えに来たお母さんについて行き

病院を出た

桜は葉桜になっていた

ここが満開の時、Aちゃんと一緒に外に出たなぁ

と思いながら通り過ぎた

もう大丈夫

Aちゃんはきっと、僕の隣にいてくれるから

僕はかばんにはいっている日記と手紙を触った