94 語る、ホークス ページ9
Aの状態は良くなかった
命に別状はなかったがいつ目が覚めるかわからないらしい
リカバリーガールから聞いた“わからない”は彼らをどん底へ突き落とした
だが逆にあれで命を落としてないのが不思議なくらいだ
あれは体に負担がかかりすぎた
後遺症が残ってもおかしくないのに綺麗さっぱり治っている
あとは彼女が起きるかどうか
そこは本人の意志次第らしい
こちらへ戻ってきたくない理由があるのか
彼らはわからなかった
まぁ、わかるはずもない
親がどちらも
もう片方は“人類殺害計画”という本当か嘘かわからない計画を立てている
それが本当なら大惨事になる
それまでに戦力の大きいエアーが起きてくれればいいのだが
当たり前だがAが起きなければエアーも起きない
当分彼らが彼女について互いに語ることはないだろう
語れないのは我々もだが
もはやここまでくれば語ってはいけない
いや、逆に語ったほうがいいのかもしれない
Aについては公安以外誰も知らない
だから彼らがAについて知ることは到底できないだろう
よくわからない仮説を建て、それを信じ、哀れこむ
なんて辛い過去なのだろう
と、彼らは彼女について思うだろう
それは彼女にとってはただのお節介でしかないのにも関わらず
彼らは彼女にきっと7割は信頼されていただろう
7割…なんと微妙な数字だ
と思う人もいるだろう
だが7割でもいいほうなのだ
それは血の繋がりもあるがともに支え合って生きてきたからでもある
そうなると君たちは気になるだろう
ヒーロー エアー……──鷹見Aについて
--
ホークスがA組にそう語る
Aについて知る？
もちろんすべてを知っているとは思っていない
だが1年間もとに成長してきた
多少のことは知っているとは思っている
だが、思い返してみれば知っていることは数少ない
せいぜい知っているのは名前、年齢、生年月日、個性──いや、個性も名前は知っているだけで内容はほぼ知らない
だから彼女が繰り出す技は毎回初見だ
今回の空気中の気体をすべて消去できることも初見だ
だから止められなかった
-聞きたい？Aのこと
ホークスはそうA組に問う
もちろん全員の答えは揃っている
-辛い過去だよ
それでもいい、彼女の…Aのことを教えてほしい
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 84人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
直♀(プロフ) - このお話めっちゃ好きです‼‼ (4月5日 15時) (
レス) @page40 id: cbcc3bbbe5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずな - この作品めちゃくちゃ好きです！続きが楽しみすぎる！更新待ってます^^ (4月3日 13時) (レス) @page32 id: f39121074c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作成日時：2024年3月20日 0時
