お山のHappy day

呼ばないで ページ12

Sside


｢櫻ちゃん♡｣

｢え...？｣

｢さーくーらーちゃん♡｣

｢な、なぁに？｣

｢ふふっ｣




え？え？なになに、なんでこの人
俺のこと櫻ちゃんなんて呼んでるの？


｢呼ばれてるんでしょ？お友達の子供から｣

｢あ...｣




うん、呼ばれてる。
櫻井のお兄ちゃん って呼ばせたのに
この前あった時、櫻ちゃんになってたんだよね...


｢だから、おいらも呼んでみよーと思って｣



何が だから なのかイマイチ分からないけど
なんか...ちょっと、やだ...




｢...なんで、頬ぷくーってしてんの？｣

｢なんでもない...｣


ああ、もう！
翔くんって呼んでくれないだけで拗ねるとか
俺すげぇ子供じゃん...


別に櫻ちゃんに関しては嫌じゃないんだよ？
実際、キュンってしたし...


でも...智くんからは ちゃんと名前で呼ばれたい...




｢櫻ちゃん、拗ねてないで こっち向いて？｣

｢...やだ｣





智くんはズルイ...

俺が拗ねてる理由わかってるくせに
こういうことするんだもん...


｢ほら、こっち向けって。｣

｢やーだー！｣









｢翔｣

｢...っ！///｣

｢こっち見ろ｣

｢...........はぃ///｣




ズルイ ずるい ズルイ...
このタイミングで呼び捨てにしなくてもいいじゃん！



｢ふふ、やっと こっち向いた｣




俺の頬を撫でながら微笑む智くんはカッコよくて
さっきまで怒ってた理由なんて気にならなくなる。

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