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それからはあっという間に、伊之助や禰豆子ちゃん、カナヲちゃん、獪岳、玄弥……次々と若手だった剣士が亡くなった
なんだかんだしぶとく生き残ったのは善逸で、色んな本を書いては禰豆子ちゃんのことを思い出して泣く始末
そんな善逸も50を超えたあたりからおかしくなり、先日眠りについた
これでもう、私と関わりの強かった鬼殺隊士は全員亡くなった
彼らの子孫を見守りながら悪鬼を狩る日々
任務の指示はあの無惨様が行ってる
唐突に無限城に落とされるのはもう慣れた
変わったのは、文明と年々増えゆくお供え物だ
戦争があり、私達が守った平穏があっという間に消えたこともあった
あれだけ通っていた街も、何度も焼けた
落ち着いた頃に天災があり、また焼けて……
でも着実に人間は変わりつつあった
変わらない私達とは違った
機器が発達してくると、任務の指示がポケベルになったり、携帯になったりと鬼まで機械を使いだしたの
黒死牟と猗窩座が全然使いこなせなくて、童磨がからかっては首を飛ばされてた
堕姫ちゃんはさすがに扱いがうまかったな……
その影響で妓夫太郎さんもすぐに慣れて…
意外と半天狗と玉壺がすぐに使いこなして、楽しんでたのにびっくりした…
無惨様?あの人に使えないものがあると???
私たちの家は多少綺麗に建て直しかけたけど、造りや内装は大正のまま
玉壺がその方が芸術的だと
私たちにとってどうでもよかったんだけど、玉壺に1時間以上熱弁されたらこうなったよね
気がつけば早いことに、あの時からもう100年以上経過していた
悪鬼も戦争や天災のおかげで多少少なくなって、私たちの見解だともうかなり数は少なくなっているはずだ
炭治郎、約束果たせそうだよ
懐かしい思い出に浸りながら、屋根の上から三日月を見上げる
優しい春の風が私の頬を撫でて吹き去っていく
この日から私たちの変わらなかった日々が少しづつ変わることを、きっと春風は教えてくれてたんだ
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作者名:切人(スランプ中…) | 作成日時:2021年8月16日 8時