鬼は切れません！！！漆 (ページ34)

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最後にぎゅっとギンと私でイヅルを抱きしめた

最後のイヅルが帰ると同時に異界の門は閉じた

龍神の姿だった師匠も鴉へともどった

本当に死神のみんながいなくなってしまったんだと思うと、途端に寂しさが込み上げてきて、頬を伝って溢れていった

ギン｢今は好きなだけ泣き。少したったら帰ろうな｣

そっと抱きしめてくれるギンに甘えて、子供みたいに泣きじゃくる私

背後から現れた小さな3つの気配が私の背中から抱きしめてくれる

『ありがと、累、お兄さん、稲帆……』

そのまま涙がかれるまで泣き続けた私

落ち着くとそのままギンに背負われて、おんぶされてしまった

ギン｢泣いたあとはふらついて危ないからなぁ｣

『ん、でも累達と手繋げない……』

累｢別にいいよ。転けたら面倒だし｣

兄｢そうだなぁ！｣

稲帆｢転けたところで鬼ならすぐに治る｣

『まあ、それもそうだね』

これからの話をしながら家まで戻ってくると、なんだか既にわいわいと賑わっていた

ギンの背中から降りるとゆっくりと玄関に近づく

『何事？』

甘露寺｢あ、おかえりなさい！早く早く！｣

玄関を開けて出てきた甘露寺……じゃないや、蜜璃ちゃん

もう甘露寺じゃなくて伊黒だわ……

そんな蜜璃ちゃんに腕を引かれたまま、居間へ向かうとみんながいた

御館様に御家族全員、柱の皆に、炭治郎達、鱗滝さんと錆兎、真菰、煉獄一家やカナエさんもいる

隣の部屋のふすまも開けて、かなり広くなっている居間でも場所が足りず、庭の方まで人がいる

しかも鬼殺隊だけじゃなくて、無惨様も上弦の鬼達もいる

初めは3人だけだった寂れたこの屋敷も、稲帆が増えて、こうやって皆が集まってくれる賑やかな場所になったんだ

『ははっ、家主に許可がなかったんですが？』

産屋敷｢そもそもここの家の所有者はAじゃないでしょ？｣

『確かに…』

しのぶ｢Aさんのところが1番集まりやすかったんです。鬼の皆さんもここなら分かるようでしたし｣

『まー散々来てたしね』

堕姫｢こんなところで突っ立ってないで、こっち！ようやく全員揃うわ！｣

今度は堕姫に連れられて庭の宴会場へ連れてかれる

ギン達も合流すると御館様と無惨様が杯を持った

産屋敷｢私たちの戦いが一段落したことを祝して、乾杯｣

御館様と無惨様が杯を合わせる

そして全員が飲み物を手に乾杯をして、一気に賑やかになる

周りの桜の木が風に揺られ、ふわりと桜の花びらが舞って私の杯に落ちた