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向かった先では死神のみんなが集まっていた
繋いでた手を迷いなく振り払って、夜一さんに抱きつく
今日も癒しだ…
乱菊「アンタねぇ……」
『乱菊のけちー』
摘まれるように剥がされるとそのまま乱菊に抱きつく
『夜一さん、乱菊…みんなも…お願い……少しでも長生きして……私達みたいに若くして逝かないでよ?』
夜一「わしは若いのかの?」
『夜一さんはいくつになっても美人だから若い判定でよろしく…』
乱菊のもちもち2つに挟まれていると、また摘まれる
『うぅ……いいじゃん…………』
ギン「ボクが良くないんよ」
『ギン硬いからやだ…』
猫みたいに摘まれてる…解せぬ
地面に下ろしてもらうとしっかりとみんなを見た
こう見ると何だか死神をしていた頃が懐かしく思えてくる
何十年も前だったかのような、変な感覚
『ごめんね、一護。君には今後の運命を背負わせちゃう。師匠…もとい龍神曰く君がキーマーなんだって』
一護の手をしっかりと握って話しかけると、ぽん、と頭を撫でられた
一護「これくらいなんてことない。Aこそ、悪鬼を全部狩り尽くすんだろ?無理すんなよ」
『うん、ありがとう、一護』
市丸「僕のAに触らんといて欲しいなぁ」
頭上で睨み合う2人から抜け出してイヅルのところに行く
顔を見るとどうしても涙が込み上げてくる
泣いちゃダメ、最後くらい笑って別れなきゃ
『イヅル、三番隊をよろしくね?無茶したら倒れるから、ちゃんと3食食べてちゃんと寝てよ?』
イヅル「Aさんも、ですよ。無茶は禁物ですし、怪我……は関係ないんでしたね。でもなるべく傷を作って欲しくないです」
『イヅル……』
どうしても目が潤んで来てしまう
鬼になったのに涙腺は修復されなかったのか、なんて余計なことを考えてしまう
市丸「Aのことは僕が守るから安心し。イヅルもあんま気負いせんでな」
ギンに背中をさすられると、耐えていた涙が溢れ出てきてしまう
『イヅルぅ!!』
ギュッと抱きしめると、恥ずかしそうにアワアワと慌て出す
市丸「僕もお邪魔するで」
私の上からギンが抱きついてくる
イヅル「く、くるしいです、2人ともっ」
「そろそろ帰すぞ。向こうは一刻を争う」
師匠の声にイヅルにまわした腕に力が篭もる
『イヅル、どうか生きて。もう会えないかもしれないけど、地獄でも何でもいつかまた会ったら、いっぱい話し聞かせてね』
イヅル「もちろんですよ」
視界の端で師匠が異界への扉を開いて待っていた
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作者名:切人(スランプ中…) | 作成日時:2021年8月16日 8時