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時は遡り、Aが三番隊に決まった頃
Aの妹は命を絶った
西洋龍に恵まれた彼女は、死によって龍神の使いになる
その代わりに龍神がどんな願いでも叶えてくれる
しかし、西洋龍の子はごく稀の為、貴重な存在であり、自らの死を喜んで受け入れる者も滅多いない
少しでも迷いがあれば死の直後、斬魄刀の西洋龍は邪龍と化す
そうなってしまえば願いを叶えることはなく、龍神によって魂ごと砕かれる
彼女は全く迷いがなく、己の斬魄刀に宿っていた純白の西洋龍と一体化した
龍神は相当久しぶりに現れた使いに大いに喜んだ
「願いを聞こうか」
「……姉様が、幸せに生きれること。姉様が後悔しない人生を送ること。もし、姉様が死んだとして、後悔があったなら、それがない世界で生きて欲しい」
「君自身の願いは無いのか?」
「ない。姉様が幸せなら、私も幸せ。姉様が苦しむなら、邪龍に堕ちる」
「分かった。その願い、聞き届けた」
龍神はAの幸福を約束した
しかし、龍神の力さえも蝕んだ力があった
藍染惣右介
彼の力により、Aは最愛の相手を亡くし、その後後を追うように命を失った
そんなことを彼女が許すわけがなかった
宣言通り、邪龍に堕ちた彼女
純白で1つの穢れのない、美しい西洋龍は
全身を暗い紫色の鱗で覆った
龍神も初めてのことに驚いた
基本、龍神の使いになれば堕ちることはない
龍神な加護さえも難なく突破し、邪龍と化した彼女
龍神は代替措置として、市丸とAを違う世界へ飛ばしたのだった
見守るために、1番近くにいれる鴉へ姿を変えて着いてきた龍神
しかし飛ばした先でも藍染の影響を受けてしまった
それが今回の事件に繋がるのだった
しかも、Aと市丸は2度目の死を迎えることになった
龍神は内心ヒヤヒヤだった
加護をも突破し、邪龍に堕ちた彼女がさらに荒れてしまうのでは無いか、と
市丸とAが鬼化したと聞いて、誰よりも安堵したのは他でもない龍神だった
そして、真実を明らかにすべきだと判断し、今に至るのだった
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作者名:切人(スランプ中…) | 作成日時:2021年8月16日 8時