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気色悪いラブレターを貰ってしまった私は、手紙の内容を御館様にはお話した
御館様はみんなで協力して挑めば大丈夫だよ、仰った
それは分かっていても、あの人数を守りながら戦わなきゃ、って考えてしまう
一般隊士の育成は順調で、元十二鬼月を余裕で相手にできる人が増えた
柱も私や隊長達の動きになれて、なかなか勝てなくなってきてる
鬼も鬼殺隊の動きに合わせて攻撃してくるようになって少し厄介になってきていた
累やお兄さん、稲帆達は私とたまに手合わせしてたから元から慣れていたけど、本格的な戦闘になってもいい動きをしてくる
いつの間にか鬼殺隊と鬼、死神の全員が連携できるようになっていた
初めはバラけてたのに
鬼と鬼殺隊は元々敵なのに
仇だと、倒すべき相手だとみんなが口を揃えていたのに
私や炭治郎がきっかけになってここまで来れたんだろうな
訓練中、炭治郎に禰豆子ちゃんが太陽を克服したと聞いた
累達とは違う
自力で克服した
すごいなって思ったし、これがまた鬼と人間の仲良くなるきっかけになって欲しいと思った
実際に合間を見て会いに行ったけど、ニコッと笑って
「お…はよ!」
なんて言われてしまった
あまりに嬉しくて泣いちゃった私を心配そうに撫でてくれた禰豆子ちゃん
珠世さん曰く人間に戻れる薬がもうまもなく完成するとのこと
私の鬼のまま不老不死来なる薬とは別物の薬がもう少しでできる
きゅっと強めに襟を整える
慣れ親しんだ死覇装の下にはしっかり隊服を着ている
上着だけだけど、私は鬼殺隊の死神だから
累達もしっかり服を整えてあげれば、ギュッとまとめて抱き締める
『まだ家を出るまでに時間があるね。羊羹でもつまんでこっか!お腹すいたら戦えないしね!』
累「今日が決戦なのに呑気だね」
兄「ま、それがAだしな!」
稲帆「出遅れなければいい」
『ふふ、ほら、どうぞ』
ことりと置いた羊羹をみんなでつまむ
じっと見つめてくる視線を感じて、しょうがないから師匠にもあげた
ほんのりと甘い味が口の中で溶けて消えていく
斬魄刀をそっと撫でて意を決した
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作者名:切人(スランプ中…) | 作成日時:2021年8月16日 8時