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『…って言うことなんだけどさ、どう思う?』
早速帰って飛びついてきた乱菊をくっつけたまま、三番隊舎に向かい珍しく仕事をしていたギンと相変わらず疲れた顔のイヅルに話をした
『霊圧は限りなく藍染に近かった。鳥肌が立つくらい』
イヅル「普通の破面とは違うんですか?」
『うん。鬼のような、怪しい霊圧もあったし、再生能力が異常に高かった』
ギン「悩みすぎてもここにシワできるだけやで。お茶飲み」
指をとん、と置かれ眉間によってたしわが緩んだ気がした
『この件は鬼殺隊の方にも伝えとくべきかな?』
ギン「念には念をやな。たまにはお師匠さんの顔も見たいし、何よりあの子との進展が気になるわ」
乱菊「なに?なんかあんの?」
『ギンの鬼殺隊のお師匠さんに好きな人がいて、その子もお師匠さんのことが好きなのに進展しないクソもどかしいカップルがいたのよ』
乱菊「何それ!面白そうな話じゃないの!今日は休みなんでしょ!ほらあっちで聞かせて!」
これはお酒ありのコースだな…?
いいけど、いいんだけど!
困ったようにギンを見たら、いってらっしゃい、と口パクで言われた
その笑顔が無性に嬉しくて、心臓が痛くなるくらいギュッとして顔が赤くなる
あまり見られるのも恥ずかしくて嫌だから、ギンに手を振り返すとそのまま乱菊に抱きついた
乱菊「ちょっ、急に何?」
『死ぬ…心臓痛い…』
乱菊「アイツ何したのよ…」
『もうさ…ギンに会えないのが辛い…あの時だってこっそり何回か会ってくれたし、こんなに会えない日が続くことは無かったの…周りが幸せになるにつれて私は少し寂しかった…』
乱菊「はぁ…とりあえず、今は飲んで忘れちゃいな!ほら!」
私の部屋へと直行した乱菊はいつの間にか部屋にストックされていた酒を開けて瓶ごと私に渡してきた
『え?どゆこと?』
乱菊「それがノルマよ」
『御館様、私今日帰れないかも…ごめん累、お兄さん、稲帆…無惨様のとこでお泊まりだね…』
結局流されるまま数時間でひと瓶を開けた私は、床に倒れて起き上がれなくなる程酔ったのだった
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作者名:切人(スランプ中…) | 作成日時:2020年11月12日 12時