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あれからしばらく歩いていると、嫌な気が森の中を漂っていた
猗窩座は意外にも何も言わず手を握り続けてくれてる
女性には優しいって童磨言ってたからな…
無意識に手に力が篭もると、猗窩座に頭を撫でられた
猗「怖いのか?」
『んん。ちょっと緊張してるだけ』
猗「柱でもやはり本質は女子なのは変わりないか」
『柱になったからって女辞めたくないな…』
ふざけた会話をしてると、一気に気配が歪んだ
脳からの危険信号を受けながらもゆっくりと歩を進めた
さっきとは明らかに空気が違う
森を歩けば歩くほど暗さが増していく
嫌になるくらい、吐き気が込み上げてくるくらい歪んだ霊圧
例えるなら藍染5人並べたみたいな…
…………想像したくないな…
童「これだよ、Aちゃん。あ、ちなみにここより近づくと喰われるよー」
にっこにっこ笑顔で恐ろしいことを言う童磨の後ろには、白く丸まった何かがいた
『なに…あれ…』
うねうねと動くそれは糸のような物に巻かれて木と木の間に浮いていた
正確に言うとその糸の力でぶら下がってるのかもしれない
目の前を通った小鳥がソレに近づいた瞬間、糸が小鳥を貫きそのまま中へと連れ去った
『あれは…鬼…なの…?』
猗「この前は糸が人型になって居て、これを守るように戦っていたな」
『首ってその糸人形の首か…それは死なないや』
数分眺めてわかったのは、これが繭であること
時折中で孵化を待つ何かが、体をひねりながら動いていた
そして、今すぐできることがない、ということも分かった
さらにコレは今ものすごい飢餓状態だ
手当り次第生物を食らってる
さっきの童磨の言葉は正しいみたい
近づいたら殺される
それくらいしか収穫がなくてしっかりと目に焼き付けてから、その場を去った
アレが羽化してしまった時が怖い
それまでに本体ごと斬るのが得策だろう…
『とりあえずもどろっか』
2人の手を引いて無限城へ戻った
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作者名:切人(スランプ中…) | 作成日時:2020年11月12日 12時