鬼は切れません！！！伍

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『一応聞くね、何その顔』

｢いや、俺が聞きたいんだけど…なんでよりによってこの店なの…｣

『しゃーないじゃん。ここがいちばん怪しいって話だもん』

｢イィィィィィヤァァァァァァ！！！！｣

そう言うとビビり倒して暴れる善逸

その姿はいつもとかけはなれており、雑にされた化粧に、てっぺんでテキトーに結ばれた髪

一応女装してます、と言わんばかりの格好に笑いすら込み上げてきた

善｢ねぇ！笑うって酷くない！？｣

『善逸、いいこと教えてあげるよ』

善｢なに？｣

『鬼出るよ、この遊郭。しかもうねうねした触手が』

善｢あーそーなんですねぇ！！！俺帰りますぅ！！！！！おうち帰らせてぇぇぇ！！！！｣

そういった途端耳を劈くような善逸の絶叫が響いた

『うるさ…とにかく、店の時間もあるから動けるのは夜のうちでも少しだけ。昨日は虚に邪魔されたけど…』

実はあれから戻って聞いたら触手の鬼が堕姫ちゃん達の方で現れたみたい

定期報告のために立ち寄った宇隨さんが触手に捕まりながらも斬り捨てたらしいけど

もう1回言う？

触手に捕まりながら

誰得だよって思ったよね。あの筋肉ダルマが触手に捕まりながら戦う姿なんて想像したくなかった

累とか稲穂とか堕姫ちゃんなら分かるけどさ？

まさかの宇隨さん

『とにかく首が固くて斬りづらい鬼だったよ』

善｢安心して、Aちゃん｣

善逸が私の両肩をガシッと掴んで目を合わせてくる

どこか芯のある目線に次にくる言葉を期待してしまう

『お？』

善｢俺、死ぬから｣

『いや、死なないから。私の期待返してよ』

そんな話をしていると堕姫ちゃん達と話していた累達が戻ってきた

『あ、累』

累｢血鬼術…｣

善｢だから！！弟くんが恐ろしいのよ！！！未遂！何もしてなぃぃぃぃ！！｣

ワタワタと暴れながら距離をとる善逸と、それを睨みつける累

兄｢あ？未遂ってことはなにかやろうとしてたってことか？｣

累｢へぇ、僕の姉さんに手を出そうだなんて、いい度胸があるんだね｣

赤い糸であやとりをする累

『なんだか楽しそうだからがんばって！善逸くん！』

善｢応援してくれるのはすんっごく嬉しいんだけど！！それよりこの兄弟どうにかしてぇえ！！！｣

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