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仕事を一段落させた堕姫とゃんと妓夫太郎さんと合流した
昨日と同じように街を見て回る
昨日と違うのは少し分散したこと
堕姫ちゃんと妓夫太郎さんペア
累とお兄さんとギンペア
私と稲帆ペア
街を三方向から同時に見て回る
堕姫ちゃんたちの方で何かあった時は片方が私かギンを呼ぶ
それを約束して分散した
決めた範囲を周り出してすぐ、稲帆は隣をてこてこと歩き出した
稲「…なんでAは俺を助けた」
『前も言ったかもしれないけど、あの時の変な鬼について知りたかったからかなー』
稲「ならなぜ全て聞きだしたのに殺さないんだ。治ったとはいえ、かなり深い傷をつけて…」
涙目になりながら、必死に訴える稲帆の口に指を当てた
溢れ出していた言葉もピタリと止まり、キョトンとした顔になる
そっと抱きしめて頭を撫でる
パチパチと来る弱い電流が愛おしくて、何度も頭を撫で続けた
『稲帆、たしかに沢山の人間を食って上弦までいったんだろうし、私の血の力がなければ今も人間を食ってたかもしれない。でも、今は?やってしまったこと、殺してしまった命はもう戻らない』
失った命は戻らない
それはもう痛いほど味わった
『でもさ、その命に生かされてるなら、中途半端に死んだらダメなんじゃない?精一杯生きてさ、誰かのために死ぬ。結局、弔うにはそれしか出来ないんだって』
妹の、あの子の最期の言葉
遺書に残された、妹からの言葉
ー私を弔う気持ちがあるのなら、姉様は必死に生きてください
ー私が生きたかった分、姉様には代わりに生きてもらいます
ーそれが姉様が私に出来る唯一のことです
『簡単そうに聞こえるけど、それが一番辛い罪かもね』
稲帆は自分の手をグーパーしながらそれを見つめてる
それからこちらを見ると、バツのついた目をキッと細めた
稲「俺、頑張る。人間を襲う鬼がいなくなるまで戦う。今まで食った分守る」
『よし、その意気だよ!手始めにこの街を守ってみよっか!』
稲「任せとけ!」
勢いよく駆け出した稲帆を慌てて追いかけた
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切人(プロフ) - 香野雪さん» コメントありがとうございます!今日の投稿したつもりでできてないことに気づきましたwこれからもよろしくお願いします! (2020年9月6日 0時) (レス) id: af0aa25b46 (このIDを非表示/違反報告)
香野雪(プロフ) - とても面白いです! 続きが楽しみです! 更新頑張ってください! (2020年9月6日 0時) (レス) id: fbeba8bbe8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:切人(スランプ中…) | 作成日時:2020年8月19日 21時