鬼は切れません！！！伍

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『龍の呼吸 壱ノ型 龍ノ舞』

咄嗟に放った技で何とか食われずに済んだ

だけどすぐに回復する

鬼…だよね…

首はどこだ…

どこもかしこもぶにぶにしてて手応えがない…

叫び声のような雄叫びのような、聞いていて不快になるような咆哮が響いた

『うっわ…』

吐き出された体液を避けると地面が溶ける

しかも夜の街故に少し行くと人が沢山いる

ここで食い止めていないと被害が拡大する

『お兄さんみたいな血鬼術使いやがって…パクってんじゃないよ！』

何度斬撃を与えても首が切れたような感覚はない

『こうなったら一気に刻む！』

大きく口を開けた瞬間、中へ飛び込む

中で呼吸を整えて型をとる

『龍の呼吸 捌ノ型 龍王ノ逆鱗』

日輪刀を振りながら全身に捻りをつけて回転する

乱雑で不規則な斬撃は肉塊を細かく裂いて切り刻んでいく

何度も切りつけているとガツン、と何かが引っかかり刀が弾かれる

それと同時に回復した口が閉じようと迫ってきた

咄嗟に避けて距離をとる

よく見ると肌の何ヶ所かが熔けていた

多分涎が当たったんだろう…

そんなに大怪我じゃないけど堕姫ちゃんに何か言われそうだ

幸い溶けただけで血は出てない

先に肉を刻んで、あの硬い骨を切らない限りむりだろう

『お兄さん…累…』

せめて2人がいれば…

すると目の前を何かが通過して私に伸ばされた肉片が溶け落ちた

｢逃げても無駄だぜ！｣

『お兄さん！』

後ろを向くと巨大な蜘蛛がいて発狂しかけたけど、よく見たらお兄さんだった

累も堕姫も妓夫太郎も、みんな来てくれた

『累、あの肉細かく刻める？』

累｢やれる｣

真っ赤な糸であやとりをする累の頭を撫でて日輪刀を構える

堕｢お兄ちゃん｣

妓｢あぁぁ…そうだなぁ…！｣

『お兄さんは合図したらもう1回血鬼術！』

兄｢おう！まかせとけ！｣

すぅ、と呼吸を整えて、相変わらずぐねぐねと動く鬼を真っ直ぐ捉えた

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