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No side
まだ暗さの残る空を今すぐ落ちてしまいそうな弱々しい羽ばたきで小鳥が飛んでいた
自らを奮い立たせるように大きく鳴く
休憩をすることも無くよたよた飛び続ける
本来ならもう息絶えていておかしくなかった
自分を生かしてくれた彼女を助けるために必死に飛んだ
本来彼…夜鷹は日が出ている間飛ぶのは苦手
大きく開いたがま口のような口を開いて飛ぶための力になる羽虫を食らう
人里に着くと必死に金の釦を探した
黒い服に金の釦
あまりに鴉が飛んでいて怖くなり、木の上から探すと隣に雀が降りてきた
ちゅん、ちゅん、と話しかけてくる雀に目を輝かせた夜鷹
きょきょきょ、と独特な鳴き声を上げて先に飛んだ雀について行く
雀が案内した先は大きな御屋敷
そこには金の釦の着いた服を着て、派手な髪飾りをつけた男がいた
その隣には白い髪の男の子もいた
雀が縁側に降りると隣にそっと降り立つ夜鷹
足に付いた手紙を取ってもらうと嬉しそうにきょっきょっ、と鳴いて翼を広げた夜鷹
それに合わせて喜ぶ雀
夜鷹をそっと男の子が手の上へと乗せる
人撫ですると夜鷹はその瞳を硬く閉じた
「お疲れ様。絶対助けるから」
「累!」
「いこう」
少しずつ冷えていく体をそっと手で包み込む累
心配そうな雀を肩に乗せ産屋敷亭に向かった
事情を話し、手紙を読み上げた宇髄
「この手紙が鬼殺隊に渡ることを願い、ここに必要な事を記します。まず私は無事です。3日の猶予を与えられています。私を攫ったのは藍染惣右介。詳しくは死神側から情報を貰ってください。場所は分かりません。小窓から私の血を何滴か垂らしてありますので、鼻の聞く者なら気づくかもしれません。最後に、私に協力してくれた夜鷹をよろしくお願いいたします」
手紙を閉じると累は手の中の夜鷹を産屋敷の手の上へと乗せた
産「よく頑張ったね。君のおかげでAを助けられる。ゆっくり休んでいてね」
撫でられた夜鷹は心做しか笑っているようにも見えた
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切人(プロフ) - 香野雪さん» コメントありがとうございます!今日の投稿したつもりでできてないことに気づきましたwこれからもよろしくお願いします! (2020年9月6日 0時) (レス) id: af0aa25b46 (このIDを非表示/違反報告)
香野雪(プロフ) - とても面白いです! 続きが楽しみです! 更新頑張ってください! (2020年9月6日 0時) (レス) id: fbeba8bbe8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:切人(スランプ中…) | 作成日時:2020年8月19日 21時