愛を込めてたつみを

にじゅうに ページ22

〜回想〜





両親の事は 好きでも嫌いでもなかった。


でも、どちらかと言うと嫌いな方だった。






決して、愛されてないとかじゃなくて。



ただ、何かが気に食わなかったのだ。






他の家よりは まぁ、裕福な方だったと思う。





父さんは 大手会社の社長で、



母さんは 有名なデザイナーだったから。





そんな、忙しい2人だから私に構ってる暇がなかったし、家もよく空けてて 私1人だけだった。





今思うと、嫌いな理由はそれだったのかもしれない。




仕方ないと分かってても、腹が立ってしょうがなかった。




誕生日も、メールで「おめでとう！」だけだし。





学校の授業参観も来なかった。




親が来てくれる事が羨ましかったのも覚えてる。







クリスマスになると、両親は帰って来てくれた。


必ず、ケーキとプレゼントを買ってきてくれた。




私は、色んな事を話した。




テストで100点を取れたって言うと、2人して褒めてくれるの。



2人とも疲れてるのに一生懸命に聞いてくれる。




いっぱい、いっぱい、笑ってくれる。





この時間が永遠に続けばいいのに



って



何度も思った。






寂しいだけだった。本当は大好きだった。



嫌いなんてウソ。





あの頃は、サンタさんにお願いしたものだ。




お願い、私を一人にしないで。



母さんと父さんとずっと一緒に居たい。






と、

にじゅうさん→←にじゅういち

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す