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ただ好きになった人がセンラだった。
浦島坂田船も何も知らない、ただ魅力に惹かれてお付き合いをしただけ。
「ごめん、泣かんで?大丈夫やから。」
『…で、も…ッ!』
「…気持ちは伝わったから、こっからは俺らに任せて。」
「センラ、泣き虫連れて寝室行きな」
「ごめんうらたん、任せます。後でちゃんと来るから」
「泣き止ます方が先や、早う行っておいで。待ってる。」
『ごめ、んね…せんら…ッ』
抱っこされて子供みたいに背中を撫でられながら寝室へ向かう。
「あーもう涙で顔ぐちゃぐちゃやん。」
『結局、火に油注いだだけで、…』
「大丈夫大丈夫、Aはちゃんと思ったこと言えて偉いで」
『…で、も…っ!』
「でもは禁止。ええ子やから。Aは一般人やねん、ネットなんかしてないのにあんなに言えたのはすごいから。な?もう悲しまんで。」
『せんら、…っ…ちゅ、だいすき、』
久しぶりに自分からキスした気がする。
この久しぶりな感じ。懐かしい感じ。
急に睡魔に襲われた。
ねえ、やだ、ひとりやだよ。
「…おやすみ。大丈夫、ちょっと話終わらせてくるからここでねんねしてれる?」
『でき、る…』
「ええこ、ならちょっと待っとってな?おやすみ。」
私の頭を撫でて部屋を出ていくセンラ。
1人なんて嫌だったのに、でも今は我慢するしかない。
「一人嫌なら俺が一緒にいたるよ」
『おにいちゃ、ん』
「大丈夫センラくんもすぐ帰ってくる。ゆっくり寝てような?ほら、お兄ちゃんのギューって久しぶりやろ?ねれる?」
『…ひさしぶり、…あったかいよ、』
「なら良かった。俺の腕の中でねんねしてええよ。」
お兄ちゃんに頭を優しく撫でられて瞼を閉じた。
誰かに頭を撫でられるのは好きみたい。
きっと気持ちよく寝れるんだろうなぁ。なんて。
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ちょこ - 更新が止まってます!戻ってきてください!続き楽しみに待ってます!(´;ω;`) (2021年8月17日 23時) (レス) id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:キラ | 作成日時:2019年1月23日 0時