鬼になった元柱【鬼滅の刃】

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｢……これだけ、あればいいか？｣

『……こんなにくれるの？』




たくさんの血を私の口の中に注ぎ込んでくれる。

とっても甘くて、とっても大好きな血の味。

こんなにも大好きな彼の匂いを忘れたくない。



『むざんさま、むざんさまあ、っ』

｢…赤子のように泣いてどうした｣



2人がいるのに、ほかの柱も声に釣られて扉の前に沢山いるのに。

だけど、だけどね、無惨様。



｢…A？｣

『もう少し、このままで居させてください。』



私が寂しくないように、私が苦しまないように。

鬼舞辻無惨の、そばにいれたことを誇りに思ってる。




『…むざんさま、むざんさ、ま』

｢もう泣くな、私はAの笑っている顔が見たい。｣


たくさん私にキスをしてくれて、たくさん私に愛を注いでくれる。

大好きな、無惨様。

私だけの無惨様。




時間稼ぎはできたと思う。

でも、本当に離れたくないんだ。





『…炭治郎くん、義勇さん、お願いします。』



そう言えば無惨様はハッとした顔で私を見る。

だけど私が無惨様に抱きついているから飛ぶことだって逃げることだって出来ない。

私にしか、抑えることは出来ないから。




｢…何をしている！｣



ごめんね、無惨様。






話を聞いた柱たちは一斉に注射器を持って無惨様の心臓に注射器を打ち込んだ。

暴れる無惨様を止めることしか出来なかった。







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