4日目。 ページ5
暁山さんは信じられない、とでもいうような顔で此方を見る。
…？何をそんなに不思議がる必要があるのだろう。
正直言って暁山さんは今まで私が見てきた女子の中でもトップに入る可愛さだ。
「ボク、…ｯ、可愛いの？」
『？はい。トップレベルに可愛いですよ。』
それでもまだ驚いている暁山さんに私は此方こそだ、と思う。
『…もしかして暁山さん自分が可愛くないとか思ってます？』
「え、いや…」
『いや、じゃないですよ！！私が貴方レベルになるまでどれくらい時間がかかったと思ってるんですか！』
「な、…なんかごめん？」
私はまぁ、良いですけどと言い、そっぽを向く。
全く、最近の若者は天然が多いのか、このヤロー！！
そう考え不貞腐れていると暁山さんは急に笑い出した。
「ふ、ふふっ、あははっ！！」
『うぇっ！ど、どうしたんですか！？』
「ふはっ、ははは、…ううん、違っ、違うの何か嬉しくて…。」
暁山さんはそういうと何故か笑いながら泣き出してしまった。
私は訳もわからなかったけど暁山さんを慰めながらしばらく屋上で過ごした。
そして、どうしてあんなことをされているのかも涙ながらに話してくれた。
もちろん全部ではない、だがあって間もない私に話してしまうほど思い詰めていると考えると胸が
痛かった。
ーー
『…落ち着きました？』
「…うん大分。」
いやー、申し訳ないね。そう言って笑う彼女の目元には赤く腫れた跡があった。
私は暁山さんの頭をポンと撫でると、
『…別に申し訳ないとかいいですよ。私にセーター貸してくれたじゃないですか。おあいこですよ。』
「…やっぱり濡れてたのって僕のせいだよね。……ごめん。」
…ボク、キミに迷惑かけてばっかだ。
彼女はそう言い頬を掻き顔をうつ伏せた。
『…それじゃあ、暁山さ…瑞稀。って呼んでもいいですか？』
「…え、」
『あ、嫌だったら良いんです。気にしてるみたいだったからなんか交換条件出した方がいいかな…って』
「……んふ、じゃあ、ボクはAって呼ぶからAも僕に対しては敬語なしね。」
『！…いいんですか！…あ、……。』
「ふふん、間違えたね〜、じゃあ敬語のたびに僕にポテト一個、奢ってよね〜。」
そういう瑞稀の顔はとてもキラキラと輝いていた。
『…ふん、受けて立ちますよ…あ、』
「ははっ、Aってば単純すぎでしょ。ポテト二個ね〜。」
どうやらこの勝負、私には分が悪そうだ。
『ぐぬぬ。』
続く (更新停止中)
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作者名：メロンのパン | 作成日時：2023年8月10日 16時
