2日目。 ページ3
職員室の方に行くと担任の先生がもうすでに準備満タンで待ってくれていた。
焦って駆け寄り、遅かったですか？と謝ると先生はにこりと笑み、早いくらい、と言う。
…めっちゃ美人だな。今のデートの会話みたいだったけどこの先生とならアリかもしれない。
先生は小鳥遊と言うらしく皆んなからタカちゃんと呼ばれているらしい。
私は少し捻ってかなかな先生と呼ぶ事にした。
そうこうしているうちにもう教室の前まで来ているらしい。
先生は私が呼んだら来てねと言うとすぐ教室へ入って行った。
えーと、ここは1ーAか。…いるのかな、あの子。
「早乙女さーん、入ってきて〜。」
…！…来た。
『はい。』
こういう時は第一印象が大切。幼馴染のことも大事だけど新たな友達作りも大事なのだ。
私は本で読んだ一番可愛い笑顔の作り方を思い出し教室への扉を開け静かに閉める。
そしておろしている髪の片方を耳に掛け教団の前でみんなの方を向き直し
『初めまして、早乙女Aです。是非、皆さんと仲良くなれると嬉しいです。』
そう言い首を軽く傾けてお辞儀をする。
起き上がった時の笑みも完璧。
クラス中から歓声が上がる。
最高、とかめっちゃ好み、とか。
いや、男に興味ないんだけど…。
というか、あの子は…いないな。
「んー、自己紹介もしたし席考えないとね。空いてる席は…そうね。暁山さんの隣でどうかしら。」
『……アｯ、はい。』
私がそう返事を返すと先生はそれじゃあ暁山さん手をあげてもらえる？とピンクの髪の子の方を見て言う。
ピンクの子ははーい、と元気よく返事すると手を少し曲がり気味にあげた。
私はその子の方に向かい鞄を机に置くと宜しくねと微笑んだ。
その子は笑顔で
「うん、宜しくね、転校生ちゃん。」
とだけ返すと顔を机の上の腕に突っ伏し窓の方を向き居眠りを始めた。
…まぁ、一番後ろの席だしバレないのかな。そう思いながら取り敢えず、先生の話を聞いた。
先生の話によると今日は学校の建設記念日だそうで三校時ですぐに終わるそうだ。
…その内一校時は校長先生からのお話らしいが。
だが、そのお陰で質問攻めに会うことも両手で数えられるくらいであっという間に放課後となった。
私も帰る準備をしようと思い、急いでバックに荷物を入れ、教室から出て校門に向かって歩く。
だが渡り廊下で立ち止まる。中庭の池にボールペンが落ちていることに気がついたからだ。
あ、これ…
『暁山さんの…？』
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作者名：メロンのパン | 作成日時：2023年8月10日 16時
